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これ？フルオーダー

お嬢様を背中に、執事さんに手綱を引かれて城下町にやって参りました。

「執事、わたくしが貴族で元王女でやんごとなきお方なのは秘密で行くわよ。権威を振りかざすのは好きじゃないの。」

「お、お嬢様...」

〜愛されて40年、ニコニコ城下町不動産内〜

「いらっしゃいませ。お客様、本日はどのような物件をお探しですか？」

「そうね、このわたくしにふさわしい物件を探してるの。」

「賃貸でいらっしゃいますか？それとも」

「当然買わせて頂くわ。とりあえず、最低20LDKくらいで我慢しようかしら。」

「お客様、ちなみにご予算はいかほどでございますか？」

「これなんかどうかしら？」

「こ、これは伝説の・・・に、よく似た指輪でいらっしゃいますね。」

「ええ、かの国の職人にフルオーダーで作らせた結婚指輪よ。」

「なるほど、ではこちらも特別な物件をご紹介致しましょう！」

「そう、その意気よ！本気でかかってきなさい！」

「キエエー！お名前と生年月日は！」

なんか中から楽しそうな声が聞こえるなー。

「お、お嬢様...」

お嬢様がやり切った顔で出てきたのはそのすぐ後でした。