お嬢様のご帰宅
「ロイス、ロイス」
あ、おはようございます。ペコペコ
執事兼、馭者兼、バトルマスターのアームストロング爺さんに起こされました。相変わらず朝が早いなー。
人間は私達より倍は眠らなければならない筈なのに、このお爺さんは寝るどころか気が緩んでる時すらない。素晴らしい仕事っぷりだ。
ニンジンもぐもぐ ブラッシング気持ち良いー ブルブル
「ロイス、実は聞いて欲しい事があるんじゃ」
お話しとは珍しいですね。何でしょう。クイッ
「お嬢様が再々再婚相手のかの国の王子と離婚なされ、今日帰ってくる」
おー、ご主人の娘さんですね。さぞや素晴らしい方なんでしょう。
「どうやら同盟国の使者に爆裂魔法を食らわせて、国際問題になってしまったそうなのじゃ」
ほうほう、それは凄い。なかなかできる事じゃないんでしょう。
「旦那様はこっそり家出なされた。あとは任せたぞと。」
ん、柑橘系の珍しい香水の匂いがする。良い匂い。クンカクンカ
「ワシ、大丈夫かのう」
大丈夫ですよお爺さん。私もいるじゃないですか。
チュドーン!ズゴゴゴ!バーン!
これが平和な日常を終える合図だったとは、まだ知る由もありませんでした。