弐
色物クラスは担任のお墨付きと言う期待にこたえるために動き出した。
お調子者1号の竹川信行が叫ぶ。
「期待されたからには応えるのが男だ!やらねば男ではない!」
お調子者2号の小早川正人が心の声を出し叫ぶ!
「そうだとも!ここは男の見せどころ!正義の心が『今やらねばいつやる!今でしょ!!』と叫ぶんだ!」
イヤイヤ、正義の心ってなんなんだ。
お調子者3号の鈴木奈美恵が立ち上がる。
「正義の心は男だけではない!女にもあるのよ。今こそ立ち上がるとき。この心に従わなければ明日はないのよ!」
イヤ、明日は来るから。
お調子者1号・2号が感動の涙を流しながら熱く吠えた。
「「よくぞ言った奈美恵!」」
そして、感動の拍手喝采が巻き起こる。
えぇー!なんでみんな拍手喝采なの?そこドン引くトコでしょ。
いまいち波に乗り切れずにいた私であった。
で、ぶっちゃけ何するって話で色々な意見がダラダラ出た。
『夏にクラスみんなで合宿したいね。』
『海行ってスイカ割り。』
『肝試しも捨てがたい。』
『まずはゴールデンウィークの計画っしょ。』
など、楽しい遊び計画絶賛進行中だったが、たった一人の意見で流れが変わった。
「思い出もいいが、このクラスでのやり遂げた何かを後世の後輩に残したい・・・かも。」
「「「「それだ!!」」」」
どれだ!と突っ込みたかったが、一致団結したクラスのテンションは凄かった。
「遊び計画は実行する!でも、このクラスでのやり遂げた何かは別物だ!」
竹川信行が叫んだ。
「そうだとも!俺達クラスの力を今見せねばいつやる!今でしょ!正義の心を今ここに!」
小早川正人が心から叫んだ。
でも、別に正義の心云々はいらないセリフだと思う。
「クラスの団結力の凄さを見せつけてやりましょう!全校生徒に見せつけるわよ!明日の未来は明るいわ!」
鈴木奈美恵が握り拳を振り上げて叫んだ。
「「よくぞ言った奈美恵!」」
竹川&小早川の感動の涙付きで、またもやクラス中から感動の拍手喝采が巻き起こる。
えぇー!だからなんでみんな拍手喝采なの?
またもや波に乗り切れずにいた私であった。