壱
「悪い子には、正座で説教!泣いても許さないんだから!」
くるくるとピンクのハートのコンパクトをかざしながら決めポーズ。
「正義の愛の力で、悪い子、悪い子、良い子にな~れ!」
真剣な顔して言う。
「はい!カットォォォ!!」
「はい!OKです。」
「次のシーン行きます。」
そんな言葉でわかると思いますが、コレ撮影です。
こっぱずかしいセリフやふりふりミニスカ衣装で正義の味方しております、私『蓮杖愛華』と言います。
女の子向けの正義の味方の実写版の撮影です。
え?実写版?ってお思いのあなた。誰だって思いますよね。
だって実写版って某ライダーや戦隊ものの男の子に人気のテレビってイメージで、女の子はテレビアニメでの正義の味方ってイメージじゃない。
これにはふかーい訳があるのです。
・・・あれ?軽い訳かな?
そう、はじまりは高校2年のとき。
クラスにお調子者の1人や2人っていますよね。
でもね、このクラスってお調子者がそろっていた。
って言うか、そもそも担任からして変だったんだよ。
担任ってまるで乙女ゲームに出てくる、色気むんむん出ているホスト系イケメン。
そんでもって、この高校の創立者の孫。
この先生イケメンで有名だが、意外と先生としても指導力が高く生徒や先生からも人気です。
面白いこと大好きな先生で、教室での初めのあいさつが『去年1年だったお前らは色々と面白いのがそろってたからな、今年のこのクラスは俺の独断と偏見で集めた色物クラスだ。来年は受験生だから色々楽しめるのはこの1年間だけだぞ。面白いことは俺を巻き込むように!』
って、はっちゃけた挨拶かましてくれました。
確かに、色々と有名どころの人物がそろっているな~ぁとは思いましたが、担任のそのセリフで『色物ってなに?ではなんで私≪僕≫はこのクラスなんだ!』って顔してる人も何人かいるみたいだが、自己紹介で理解しました。お前らみんな色物・・・同類だ。
機械オタク・コスプレイヤー・某薄い本での人気作家等々。
あげたら切りなく出てきます。
ホント色物クラスっすね。
・・・で?なんで私ここのクラス?