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ステラ・ライト  作者: しがみ
幕開け
7/21

作戦

「さぁ――ここからが、本番だよ」


ルクスが静かに息を整える。

その横で、ソレルが軽く扇子を開きながら告げる。


「ルクス、きっとミラは次に私の武装に干渉してくるわ。

そうなれば、あなたの閃光も再び使えるはず……焦らず、機を伺いましょう」


「うん、分かったソレル! もう一回、相手の出方を探るところからだね!」


二人は再び構え直し、戦場に張り詰めた緊張を静かに受け止める。


対するイリス&ミラ側――


「……イリス、無茶はしないで。

無駄に体力を消耗するだけ……」


「へへっ、今回はちょっと暴れすぎたかもな〜。

ま、私が悪かった! だからさ、ミラ! 作戦を教えてくれ!!」


「……また投げやり……」


ミラは小さく息をつき、目を伏せる。


「……ソレルのスターリング=ブリーズは厄介。

でも、それを直接干渉するのは体力の無駄遣い……

ルクスの光にまた視界を塞がれるのも時間の問題……」


「ふむふむ。じゃあ打つ手なしってこと? それはそれで、つまんねぇなぁ?」


「……打つ手なしって言ってない。

イリスの周囲だけを限定して、干渉を展開すれば――最低限、動きは封じられる。

でも、干渉を動かすには時間がかかる。

だから、ルクス達が攻めてきた瞬間に発動するのがベスト……」


「……つまり?」


「イリス。ルクス達の攻撃に当たらず、なんとかこっちまで引き込んで――」


「んな無茶なぁぁ!!」


イリスが叫ぶ。けれど、笑っていた。



教官視点―観戦所にて――


(なるほど……両者、待ちの姿勢か)


観戦所のガラス越しに、静まり返ったフィールドを眺める。

激突は止み、互いの判断を測るような沈黙が続いていた。


――ルクスの閃光

――ソレルの風が吹き消す炎

――イリスの極炎の拳

――ミラの干渉術式


どれも強力な一撃必殺の手段だ。だが、それ故に判断を誤れば――命取りになる。


「……これは、想像の何十倍も戦況管理が難しいな……」


俺がかつてプレイしていたゲーム《ステラ・ライト》と、この世界の最大の違い。

それは、“ダメージの基準”がまるで違うこと。


ゲームでは数値で扱われた攻撃も、この現実では一撃で“終わる”。

つまり、かすっただけの攻撃でさえ――命に直結する可能性がある。


数値を減らすゲームではない。

一切の被弾を避け、確実な攻撃を一点集中で叩き込む。


それが――この世界での《闘いいきかた》だ。


そして俺は気づいた。

観戦席の椅子に座るこの身が、わずかに震えていることに。


(……模擬戦とは思えない。熱量が、空気を灼いてる……)


これは、遊びじゃない。命のやりとりの、はじまりだ。


すいません模擬戦編もう少し続きそうです

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