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ステラ・ライト  作者: しがみ
幕開け
6/21

開始

「よし!タッグは――ルクス&ソレル、イリス&ミラだ!!

皆、全力を尽くして頑張ってくれ!!」


俺の声が響くと同時に、訓練施設の仮想フィールドが展開される。

観戦所とステージは遮断され、ここからはもう声は届かない。

後は、彼女たちが自分の判断で動くのみ


さあ、お手並み拝見だ――



「最初に言っとく……イリス。無鉄砲な突撃だけはやめてね……?」


ミラがやや不安げな声で牽制する。


「うぅ〜ん、でもよ〜?ミラ、こうも言うだろ?

“先手必勝”ってよ?」


「ちょ、イリス!!バカっ!!」


ミラが珍しく声を荒げたその瞬間――


「フッ!展開チェンジ――ヴァルカニック=コロナ!!

うちの好きな言葉は『猪突猛進』!!

ルクスゥゥゥ覚悟ぉぉぉぉ!!!」


炎をまとった2つのナックルが、蒸気のように空間を裂き、一直線にルクスへ突撃する!!



「ルクス、右上……来るわよ?」


「了解っ!行きます――展開チェンジアストラル=レイ!

《ライトニング・イリュージョン》!!」


眩い閃光がアストラル=レイを中心に炸裂し、イリスの視界を一瞬で奪う。


「ぐぁっ!!目が!!しまった……見えない!!」


「はぁ……展開チェンジグリモア=ノクス……

干渉……アストラル=レイ……これで光は、消えるはず……」


ミラの魔導書が虚空に展開されると同時に、空間の光がねじ曲げられ、ルクスの閃光が霧散していく。


「えー!!私のアストラル=レイが!!!

……ま、まずいカモ……」


ルクスが目を点にした、その刹那――


「よーし!サンキューミラ!!

行くぜ!コロナ!――《バースト・スマッシュ!!》」


燃え盛る拳が、光の残滓を切り裂きルクスへと襲い掛かる!!


だが――


「イリス……まだまだ甘いわね」


イリスの拳が消えた。

いや――掻き消された。


「なっ、なんだぁ!?!?!?」


「甘いわね、イリス?

こんな辺鄙な風で消えるなんて」


ソレルが扇子をひらりとはためかせながら微笑む。

彼女の《スターリング=ブリーズ》は、風の斬撃だけでなく、空間の熱量すらも削ぎ落とす。


「くっ……クソぉ!!

まだだ……まだ終わってねぇよソレル!!」


イリスのナックルが、熱を脱ぎ捨てるように紅から淡い青の炎へと変貌する。


「……はぁ。バックアップは任せて……イリス」


ミラの干渉魔導書が再び光を帯びる。



そして、ルクスは胸の内でふふっと笑う。

「さぁ――ここからが、本番だよ」


投稿時間遅くて申し訳ないです

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