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ステラ・ライト  作者: しがみ
幕開け
5/21

展開

ステラ・シップ《レグルス》――訓練施設


宇宙空間での戦闘が主な彼女らにとって、仮想エネミーや地形環境の調整が可能なこの空間は、まさに“万能の訓練場”だった。


「行きます、展開チェンジ――アストラル=レイ!」


ルクスの手に集まる光粒子が、旋回しながら一つの形を成す。

それはまるでレイピアのような光の槍――光変質収束法《アストラル=レイ》。

それを握ったルクスは、軽やかなステップで前へと踏み出す。


「はぁぁっ!」


放たれた光の刃が、仮想エネミーを一閃。瞬間、そのボディが閃光と共に消し飛んだ。


「流石だな、ルクス。命中率も上々だ!」


「えへへ〜、教官に褒められると、もっと頑張れる気がします〜♪」


照れ笑いするルクス……だがなぜだ、アストラル=レイの光刃を俺に向けているのは?シンプルに怖いので、やめていただきたい。


「あびゃ!!」


「よそ見しちゃ、ダメだよ……ルクス……」


「も〜!攻撃が来てるなら教えてよ、ミラ!」


「……めんどくさい。それに、そっちが悪い……」


ミラは小さく溜息を吐くと、手をすっと前に出す。


展開チェンジ――グリモア=ノクス」


空間に滲むような闇が生まれ、彼女の手には魔導書のような武装が出現する。

ページが勝手に開き、黒い鎖と魔方陣が出現し――仮想エネミーの動きが静止した。


「干渉領域、対象……仮想エネミー……ストップ……と、」


そして一呼吸。静止したエネミーが爆発四散する。


「さ、流石だな……相手や空間、時には味方さえも干渉する《グリモア=ノクス》……」


「……でも、連発は疲れる。……シンプルに、しんどい……」


「なるほど、長期戦には向かないのか……覚えておこう」


そんな風に呟いていると――


「どけどけーっ!!展開チェンジ――ヴァルカニーーック=コロナァァァァ!!」


エネルギーの塊が、爆炎を纏いながら両拳のナックル形状武装へと変化していく。

紅く眩しい《ヴァルカニック=コロナ》が完成すると、イリスが爆発的なスピードで駆ける。


「アタァァァァック!!」


巨大仮想エネミーが一撃で吹き飛ぶ。

その火力は凄まじいが、発動前後の隙が大きいのは明確な弱点だ。


「へっへー!どうよ、あたしの火力!これならどんなヤツもワンパンでしょ!」


「……火力だけじゃ……戦えないよ……?」


「うっ……ミラ達が何とかしてくれるでしょっ!」


「……後先が思いやられる……」


「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」


仲裁に入るルクスの声に、空気が和らぐ。


そこへ、ひときわ冷ややかな声が響いた。


「戯れも必要だけれど……そろそろ私の番、かしら」


ソレルが軽やかに舞いながら、風を引き裂くように前へと踏み出す。


展開チェンジ――スターリング=ブリーズ」


宙に双扇状の風刃が展開され、ソレルの周囲に追い風が発生する。


「追憶を 

歌え何処と

  願えども

ならば受け入れ 

歩みは進む」


詠うように舞い踊るソレル。その軌跡が風の斬撃と化し、小型の仮想エネミーを一掃していく。


「ふぅ……まぁ、こんなものかしらね」


「……なるほど。風の流れを操る斬撃……。小型に対しての範囲制圧か……」


それぞれのステラが持つ“個性”が、見事に発揮された。

――準備は整った。


「よし、みんな!いい感じにウォーミングアップできたな!」


俺は全員を見回し、告げる。


始めるとしよう実戦を意識した模擬試験タッグマッチ


---

短歌の詠って素敵な響きですよね

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