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ステラ・ライト  作者: しがみ
幕開け
21/21

疑問

「きょ、教官!?!?なんでここに…!?というか、どうやって……!」


砲撃の余韻がまだ宇宙に残る中、ルクスが驚きと安堵の混ざった声でステラ・シップ《レグルス》に響きかける。


「いやー、それがな?教官室をごそごそしてたら、偶然“近距離転移システム”なるモンを見つけてな」



《偶然》というにはあまりにも都合が良すぎるその説明。けれど――


「……主人公補正ってやつかな?」


笑いながらそう続けたその声に、ルクスは一瞬ぽかんとし、やがて吹き出す。


「あはは……もう、教官らしいや……!」


その明るさに少し救われながら、ふとルクスは口調を改めて問い直す。


「それより……ミラは、無事なの?」


「……ああ。安心してくれ。見つけたときはぶっ倒れてて一瞬焦ったが……ただの寝落ちだったよ。全力で支援を続けてた反動だろうな」


「そっか……よかった……」


ルクスの胸から、安堵の息が漏れる。


だが、そこに一つ、冷静な声が割って入った。


「――教官?」


ソレルがゆっくりと声をかける。


その声は静かで、けれど鋭い。


「指揮を執るはずの立場の人間が、最前線で首を狙われる行為をするなんて。正直、容認しがたいわ」


「ま、まぁそう言うなって。俺もな、ただ見てるだけってのは性に合わなくてな。君たちが大切だから、思わず飛び出してしまった」


「ふうん。……随分と、“他の教官”や、少し前までの貴方とは大違いね?」


ソレルが扇をゆっくり仰ぎながら、わずかに微笑む。


だがその眼差しは、その奥に潜む“何か”を探るようだった。


「まぁ、これからはちゃんと控えるさ。次からは、ちゃんと“後ろ”から支えるよ」


「――期待しているわ。教官」


ほんの一瞬だけ。

ソレルの瞳に映ったレグルスの光が、まるで何かを試すようにきらめいた。


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