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ステラ・ライト  作者: しがみ
幕開け
18/21

合流

「なんだあの爆発!? ソレル、大丈夫か!!」


イリスが炎の尾を引きながら突撃しつつ、食い気味に叫ぶ。


「って、なにこのデカさ!? ……ぶつかるぅぅぅぅ!!」


巨大なダスターが目前に現れたその瞬間――

寸前で、彼女の身体が風の壁に押し返された。


 


「追憶を

   歌えどこぞと

      願えども

  ならば受け入れ

     歩みは進む」


 


――《ウィンド・ブレイク》


巻き起こる嵐のような風が、イリスとダスターの間を切り裂く。

衝突寸前だったイリスの勢いを、柔らかく、しかし確かに止めていた。


 


「中々に不用心ね? まぁ、それも貴女らしいけれど」


ソレルが扇子を片手に、余裕の微笑みで立っていた。


「ソレル……助かったぜ!! にしても……これ、一人でやってたのか!? さっすがだな!」


「えぇ、まぁ……でも、“倒せては”いないのだけれどね」


ソレルは微かに残念そうに目を伏せ、視線をダスターへ戻す。


「それに……“一体だけじゃダメ”なのよ」


「……? つまり、どういうことだ? とりあえずぶん殴ればいいってことだろ!? なら任せろ!!」


イリスのヴァルカニック=コロナが爆炎を帯びてうなる。


「ちょっ……それ、今はやめたほうが――」


「うぉぉぉぉ!!! ――《バースト・スマッシュ》!!!」


ソレルの制止も聞かず、イリスが爆炎の拳を繰り出す!

その直撃を受け、融合ダスターの身体が豪快に吹き飛び、爆煙が広がった――


 


「よっしゃ! いっちょあがり――!」


そう言いかけたその刹那。


爆煙の奥から、再構成されるように“肉片”が蠢き、再生する”ダスターの姿が見える。


「なっ……マジかよ……」


イリスが目を丸くする。


「言ったでしょう? “一体だけ倒しても意味がない”って」


ソレルの言葉に、イリスは一瞬硬直し、それから苦笑いを浮かべる。


「なるほどな……2体同時に潰さないとダメってやつか……こりゃ面倒だな」


肩をすくめたイリスの背後から、息を切らした声が届く。


 


「お待たせぇ……イリス、早い……ソレルも無事でよかった……」


ルクスが駆け寄ってくる。顔には疲労と緊張がにじんでいたが、それでも笑顔を忘れていなかった。


「やれやれ、やっと勢揃いねぇ……ここからが、本当の地獄よ?」


ソレルが、再生しきったダスターに視線を投げながら、微笑を浮かべる。


その巨大な怪物は、まるで意思を持つかのように歪んだ笑みを形作っていた――


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