一心同体
「よし!!ルクス、やったぞ!!」
イリスは、突如訪れた静寂を打ち消すかのように、大声で叫んだ。
「なんとか…ね。でも……まだ終わってないよ。ここからが“本番”なんだよ!!」
ルクスは強くアストラル=レイを握りしめ、覚悟を新たにする。
「そうだったな……よっしゃ! さっさとソレルのとこにキラッと参上して、助太刀してやろうぜ!!」
イリスが腕を掲げて勢いをつける。
「「えいえいおー!!」」
互いに喝を入れ直した二人は、決意と共にソレルが待つ方へと飛翔する。
――
その頃、ソレルはたった一人で、巨大なダスター2体と対峙していた。
「はぁ……ちょっと厄介ねぇ……」
ため息交じりに言うその声には、疲労ではなく“面倒”といった響きがある。
だがその立ち姿は優雅なまま、舞うように宙を滑っていた。
「 迫撃を
耐えてみせろと
言うのなら
それすら糧と
するだけだった」
詠い終わると同時に、片方のダスターが人の何倍もある拳を振りかぶり、ソレルへと振り下ろす
だが刹那。
「――《カウンター・インパクト》」
その瞬間、逆にダスターの巨大な腕が吹き飛んだ。
「ふふ……あら? あっちは終わったようねぇ」
通信越しに感じ取ったのか、ソレルは静かに笑い、スカートの裾をなびかせながら後退する。
だがその目は冷静だった。
吹き飛んだはずのダスターの腕が、ドロドロと再生を始めている。
「やっぱりねぇ……再生するの、わかってたけど」
ソレルは扇子をゆっくりと開く。
そして――
「だって……“2体で1体”なんだもの」
えいえいおーしてるルクス達を想像して非常にニコニコしています。