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ステラ・ライト  作者: しがみ
幕開け
13/21

突撃

残花……良きかな良きかな

「いた! 行くよイリス!!」

ルクスが勢いよく声を上げる。


「おおっ!任せろ!! うぉぉぉぉ!!展開――ヴァルカニック=コロナ!!」

迸る紅蓮の双拳を展開しながら、イリスが叫ぶ。


「ルクス! 掴まれ! うちに考えがあるぜ!!」


「へっ? わ、わかった! イリス! でも……無茶はしないでねっ!?」

ルクスが不安げに応じるが、その目には信頼の色が浮かぶ。


「ダスターの群れ……ぜってぇまとめて焼く!!」

イリスが笑みを浮かべると、火花のような熱が一気にほとばしる。


「真ん中に突撃させてもらうぜ!!――《バーニング・ロケット》!!」

燃え上がる炎が両拳から噴出し、まるで推進器のように一気に加速!

イリスとルクスを乗せたその紅蓮の閃光は、暗黒の宇宙を切り裂いていく。


「ちょ、ちょっと待って! いきなりすぎるよ!? 展開、アストラル=レイ!!――《ライトニング・イリュージョン》!!」

ルクスの放つ光が周囲に閃光を放ち、敵の目を惑わせながら二人を導く。


「でも――イリスが信じてるなら、私もやるよ!!」

ルクスの瞳に迷いはなかった。



---


一方その頃――


「さて…あちらも盛り上がってるわね」

ソレルが、冷たく艶のある微笑みを浮かべる。


「では、そろそろ私も楽しみましょうか」

彼女が静かに扇子を掲げた瞬間、風の渦がその身を包み始める。


「展開――スターリング=ブリーズ」


そして、そっと囁くように詠う。


「花朧

時はすぐれど

今はまだ

残花を謳う

儚き想い」


「――《クリスタル・マジック》」


瞬間、ソレルが四人に分裂する。

その姿はどれも本物のようで、幻影と現実の境界が一瞬で揺らぎはじめる。


「さぁ――幻影の歌を始めましょう。精々、惑って頂戴ね?」


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