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ステラ・ライト  作者: しがみ
幕開け
12/21

出撃

「あれが、ダスター……」


レグルスのすぐ数km先。

原型すらも掴めない異形の物体が、不規則な揺らぎを宇宙に放っていた。

質量も温度も、生命反応すらも定まらない、見るだけで本能が拒絶を叫ぶ存在。


「出ましたね、教官……やっぱり、この時間帯だけはどうしても慣れません……」


ルクスが少し不安げに呟く。

いつも明るい彼女の声色に、微かに震えが混じる。


ステラたちは、今からこの母艦レグルスを離れ、あのダスターとの直接戦闘へと赴く。

どうやって呼吸できているのか、そもそも“生きていられる理由”すらよく分かっていない。

だが、今はそんな疑問に構っている余裕はない。


「きっと大丈夫だ。この戦いが終わったら、みんなでパーティーだな」


不安を打ち消すように、声を張って言い放つ。


「そろそろだよ……教官……出撃許可を……」


ミラが静かに、いつもと変わらぬ口調で告げる。


この言葉が意味するのは、“いよいよ本番”ということ。

それは、死地に赴くという現実でもある。

けれど、止まる理由はどこにもない。


だから俺は、真正面から彼女たちに告げる。


「ルクス・アストリア、ミラ・ノーチェ、イリス・ヴェガ、ソレル・アルティナ――

これより出撃を許可する。……必ず戻ってこいよ、みんな」


「まっかせな! うちが行くからには、全部まるごと燃やしてきてやるよ!」


イリスが元気よく胸を叩き、笑う。


「まぁ……なんとかなるんじゃないかしら。どんな敵でも、風は味方してくれるものよ」


ソレルが優雅に扇子を仰ぎながら答える。


「絶対に、大丈夫です。みんなで戻ってきましょう、教官も……準備、ありがとう」


ルクスが笑顔で敬礼を送ってくる。


「……問題ない。帰ってきたら……あのプリン食べる……」


ミラがぽつりと呟く。


「よし、行って来い――!」


「「「「出撃開始ミッション・スタート!」」」」


4人の声が宇宙に木霊し、眩い光と共にその姿を漆黒の空へと投じていく。


これからが――

《ステラ・ライト》という名の、戦いの始まりだ。


お待たせしました、ついに次こそ戦闘です

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