02. Fire Afer Fire - 炎上につぐ大炎上、それが私の生き様 -
この物語は、ハードボイルドでヘビーデューティであることを信条としたリアルな記録だ。
異世界で、せこせこと書き溜めた、私の業務日報。あるいは日々のボヤき。SNSも無い世界で、日々メモってました。
何度も異世界転生した果てに、令和日本に帰還した私は、この業務日報をWeb小説として公開する。
少しだけ不思議で荒唐無稽な話に見えるかも知れないが、紛れもないリアルの記録だ。
まずは、前説。物語が始まるのは次のエピソードからなので、ここは読み飛ばして頂いても構わない。
異世界派遣。
私は、この事象をそう名付けました。
地球が本当に爆ぜたかどうかは不明です。南アルプスのなんたらいう、「アルプスにドブ水があるんか?」と疑ってしまう、やっすいウイスキー風アルコール飲料を飲み過ぎて、幻覚を見たまま心臓か脳波が停止したような気もします。爆ぜたのは私の肝臓かしらね?
私は、あの日爆ぜた(気がする)地球を遠く離れて、異世界へ転生。まるで派遣先が変わるように、何度も異世界転生を繰り返しています。
異世界派遣の契約終了は、死です。死ねば、次の派遣先へ転生するのDEATH!マジDEATHデス。
どこでそんな契約をしてしまったのー?
神とか駄女神様の圧迫面接も受けてないし、スタッフ登録した覚えもありません。
日本のIT奴隷は、異世界でも奴隷でした。だって、剣と魔法の世界で、「ITパスポートの上級持ってますん!」と言ってもねえ?仕事なんか無いんですよ。
皿洗いが出来るなら、もう天国ですよ。全裸で穴を掘り続け、また埋めるみたいな、そんな地獄ばかり。日本でやってた事も似た様なもんですけど。左にあったものを、右に書き写したら、後ろから返ってくるみたいなー?死ぬかと思ったわ。実際、死んだけど。
ほいでー。皿洗いしてれば、ご飯が食べられて、温泉にも入れて、屋根裏部屋のふかふかなオフトンの中でスヤァ出来る大当たりな異世界にやっと辿り着いた!ここが天国ですよ!と喜んだのも束の間。ある日村の中で熊さんに出会って、生きたままモシャーっと齧られちゃいました。
でも!その次の世界こそ大当たり!
なんとー、そこで私はー、魔法少女に転生したのでーす!
それも猫耳のかわいいヤツ。ですがー、魔法少女は最先端の航空戦力として軍に派遣され、最前線行き。魔法なんてまだ覚えてねぇっつーの!猫耳生えてるだけで魔法少女扱いとか、中間のエージェントがスキルシート読み間違えてますよ!どんだけ多重派遣なのー?
何度死んでも蘇るという、奇天烈な能力だけは備えていたので、もうこの世界から出られません!
今後こそ詰みましたワー。