無能の話
プロフィール出します。
??? ・珍しい黒髪の少年。弱冠14歳で帝国の君主の座を手にした。とある『無能の聖女』に固執しているが、どんな関係があるのか・・・
リーフレス ・無機質な男性。その雰囲気から実年齢より年上に見られてしまうことが多々ある。???が幼少のころからそばに居た人物。
(リーフレスくんはlife less ていう英語から取りました。無機質なという意味でピッタリだなと思います
わたしは今、冷たい床に両手をついて頭を下げている。相手はわたしより断然素晴らしい聖女たちだ。
「なぜ貴方は惨めに生きているの? そんなに『聖女』な自分が好きなの?」
「す、すみません・・・」
素晴らしき聖女様『プレビオル』は、わたしに退屈そうな視線を向けた。
「・・・なぜまだ生きようとするのか」
「ええ、それなりな教養を積んできた私らも理解が追いつかないわ」
プレビオル様の周りには取り巻きの聖女がいる。一国に一人の聖女なので人数は多くないが、むしろその環境がわたしを強張らせる。
「「「無能聖女」」」
そんな言葉が棘のように心に深く突き刺さる。
──わたし、ツェード・ディエッタはハッフル共和国のいらない方の聖女である。本当の聖女の『予備』という役割の、『無能な聖女ディエッタ』だ。
職業で聖女と診断されてから数年は『ちゃんとした聖女』だった。のちにもう一人の聖女『フォルセ』が誕生してから、厄災がハッフル共和国に降り注いだ。
どちらかがいらない聖女だ。なんて言葉は街を歩くたびに浴びせられた。しかし、わたしの行く町や村、他国に厄災が来る。と言われだしてから『聖女の替え』として扱われるようになった。
周りから罵られ叩かれながら、掃除や洗濯などの雑用仕事をするだけ。
替えには余分なものだとして、服などは買うことはできなかった。
『お遊び』の一環として弱視になってしまったこと。
本当の聖女たちには笑われ、罵詈雑言をもらう。
生きる意味などなかった。けど、首にナイフを当てたとき、プツリと血が出て泣いた。痛みじゃなくて、死にきれない自分への憎しみに涙が出た。
そんなわたしはいつしか、あらゆるところで「無能な聖女」と呼ばれるようになっていた。
「もう、嫌だよ・・・」
声はただ、静かに空気に溶けていった。