表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨上がりに僕らは駆けていく Part1  作者: 平木明日香
692/698

第691話



 午後3時30分。


 目をこすりながら時計を見ると、チャイムが鳴って、今日の最後の授業が終わった。


 6限目は数学だった。


 今日の一日のスケジュールが折りたたまれた傘のように、スムーズに終わる。


 首を持ち上げるように身体を起こして、思いっきり背筋を伸ばした。



 キーンコーンカーンコーン…

 


 はあ、終わった終わった。


 休憩時間を挟んでホームルームが始まり、日直が黒板を消す。


 廊下ではガヤガヤと騒がしい声が聞こえた。


 階段を駆け降りる音や、席に着くクラスメイト。


 プリントが配られ、世間話に花を咲かせる担任の先生。


 ナベ先生の話は長くて困る。


 早いクラスは、5分もしたらさっさと掃除の時間に移ってるっていうのに。



 今日は夜に花火大会があるから、部活も早く切り上げて家に帰ることにしていた。


 元々そんな気はなかったんだけど、先輩も早く祭りに行きたかったみたいで、前々から顧問にお願いしてたみたいだった。


 市内で一番大きい祭りだし、そんなに人数も多くないゆるーい部だったから、すんなりオッケーをもらったみたいだった。



 「ほなまた明日なー!」



 恭子と葵、あと美央の3人と、元町駅で合流する予定だ。


 他のクラスメイトとも別れ、下駄箱から靴を取り出した。


 放課後のチャイムと、午後5時の夕暮れ。


 校庭のフェンス前でB組の岩崎くんと話をしてた。


 彼とは中学でも一緒だった。


 けっこう面白くて、よく話したりするんだよね。


 テニス部に入らないか?って、最近うるさくてさ。



 時間が経つのはあっという間だ。


 カレンダーはもう9月で、秋がもう目の前に。


 つい最近入学式を終えたばかりの気がするけど、もう2学期なんて信じられない。


 入学した頃の、そわそわしてた自分が懐かしい。


 あの頃はどうなるかと思ってた。


 周りは知らない人たちばかりで、ちゃんと友達もできるかな?って不安だった。


 おかげさまでいいクラスに巡り会え、今じゃ、学校に来るのが楽しいけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ