648/698
第647話
今日が「いつか」なんて、誰にもわからない。
きっとそれは永遠にわからないことだとも思う。
自分が今どこにいるのか。
どんな場所にいて、どんな距離に立ってるのか。
あの日の、あの夏の甲子園のことなんて何も知らずに、こっちの世界の彼は、がむしゃらに竹刀を振ってる。
私の助けなんていらないんじゃないか?ってくらい、ひたむきに。
思わず突っ込みそうになっちゃうんだ。
違う世界では、剣道なんかやってなかったのにって。
彼にはタイムリープのことは話してない。
未来のことも、過去のことも。
私はただの幼馴染で、ちょっと厳しめの見張り役。
“しがないマネージャー”だって伝えてるんだ。
私がどこから来ようが、彼にとっては関係ないことだし。
それでも、やっぱりへんな感じだけどね。
中1の頃の彼と一緒にいるのは。




