第25話
「それは多分、…いや、きっと夢じゃないよ」
それはどうかな。
夢じゃないなら、何?
…って、え?
てっきり「バカじゃねーの」とか、そういうことを言われるのかと思ったら、普通に返答して来た。
そのことにビックリして、危うく口からパフェが溢れるところだった。
「え…あ、うん」
亮平はドキマギする私のことなど気にもとめず、矢継ぎ早に質問をぶつけてくる。
「他に何かわかることは?」
他に…?
他にってなんだろう。
考えても思いつかないから、逆に質問した。
「あんたはおかしいと思わないわけ?」
「なにが?」
「なにがって、今の話が」
「別に」
「別にって(笑)。本気で言ってる?」
「本気で言ってる」
「…」
呆気に取られてしまった。
さも平然としたその態度に口が開いたまま、動けなくなった。
真面目に聞いてると見せかけて、じつはふざけているのかと疑ってしまうくらい、今話した非日常的な話に対して自然な対応を続けてくる。
その流れのまま、私に言った。
「キミの話を信じるから、僕の話も信じて欲しい」
「話、って?」
「未来から来たってこと」
…ああ、まだ言ってるよコイツ。
私の話も大概「変」だが、「未来から来た」という話はトップクラスの「変」である。
信じてあげたい気もするけど、躊躇してしまった。




