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雨上がりに僕らは駆けていく Part1  作者: 平木明日香
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変わり果てた幼なじみ 第24話


 オニオンズに戻ってから、私は、「今朝」のことについてを話した。



 「あんたが未来から来たって言うんなら、私だって言いたいことあんねん」


 「なに?」


 「今日がクリスマスなんて、絶対あり得んってこと」



 どうせこんなこと言ったって信じてもらえないだろうけど、亮平にバカだと思われても問題ないし、冗談混じりに、自分の身に起こっていることを話した。



 …



 「夢を見てる…って?」


 「そうそう!大体時間がずれてるし、雪が降ってるなんて、…絶対あり得へん。クリスマスイブ?冬休み?…ハッ。ほんとに馬鹿げてる」


 「…」


 「ま、どうせすぐ目が覚めるやろ。っていうか、これが「夢」なら、あんたが未来から来たっていうのも、案外嘘やないかもね」



 私はほとんど適当に、亮平に対して言葉を使った。


 「ここが夢だ」っていうことを言葉にすることはどう考えてもおかしな発言だが、私の今の状況を伝える適切な言葉は、これ以外になかった。


 亮平は当然頭を傾げるだろうな…。



 そう思って様子を窺うと、意外にも真摯に受け止めている。




 おいおい…、マジかよ…。



 「それで、キミが事故に遭ったっていうのは?9月のいつ?」


 「…え?あぁ、今日は9月10日やで」


 「9月10日…、か」



 てか、さっきから「キミ」ってなんだよ。


 今までずっと名前で呼んでたじゃないか。



 「何回も言うけど、今日が冬なんてことは絶対ない」


 「…」



 ああ、なるほど。


 その真剣な表情は、私があまりにバカな発言をするから、受け止めきれずにフリーズしてるだけか。


 これはこれは申し訳ない。



 追加注文で運ばれてきたイチゴパフェを頬張りながら、自分の発言に少し恥ずかしい気持ちを覚えつつ、視線を逸らす。


 何事もなかったように振る舞おうとしたが、恐らく、もう遅いだろう。

 

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