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プロローグ 第1話
…あぁ、まだ寝てたい………
朝からそんな気分に苛まれて、思うように頭が持ち上がらない。
学校に行きたくもないのに、ベットから起き上がらなくちゃいけないとは…
「なにしてんの楓!はよ起きー!」
リビングの方から声が聞こえる。
朝は大体いつもこうだ。
説教くさい母親のダミ声が、鳥の囀りと共に聞こえてくる午前7時。
目覚まし時計をセットしているというのに、その時間ごろになると毎回のように声をかけられる。
まるで頼んでもないのにアドバイスされた時のようなウザさ。
…まったく、気が引ける。