第168話
「…私の、…私のせいなんや…。どうしよう…、キーちゃん」
それしか考えられなかった。
過去を変えると、未来が変わる。
亮平の言葉が繰り返しリピートされていた。
私が事故に遭わなかったせいで、こうして亮平が事故に遭ってしまって…
「…落ち着け!!お前のせいなわけないやろ!」
「でも、…本当にそうなんや!こうなることがわかってたのに、何もできんくて…」
「…どういうことや、それ」
キーちゃんは困惑してた。
必死に説明しようとした。
過去が変わってしまったこと、未来が、変わってしまったこと…
「…亮平が言ってたんや。結果を変えるなって…」
「…結果??」
「未来は、1つしかないって…」
「待て待て、お前なに言うとるんや…!」
思うように考えがまとまらなかった。
とにかく伝えなきゃと思った。
こうなってしまったことの、理由を。
話しているうちに夜が来た。
雨は明日も降るらしい。
母さんに無理を言って、キーちゃんの家に行くことにした。
夜は9時を回っていた。
家に着いた後に、シャワーを浴びた。
傘もなにも持ってきていないせいで、服がびしょ濡れになったから。




