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私は今日、命を終える。
村で一番大きな建物。
立派な社。
その中で。
建物の中には、御神体である石が飾られていた。
神様の前につれてこられた私は、その場に膝をついた。
村の人達は、みな武器を手にしている。
それで、私の命をかりとるのだ。
私は静かにその時を受け入れる事にした。
けれど。
村の人達のざわめき。
彼がやってきたのだ。
武器を持った彼は、村の人達を蹴散らして私の手をひいて走った。
「君だけを愛してる」
他の人間なんてどうでもいい。
村なんでどうでもいい。
例えそれ以上の悲劇が起きたってかまわない。
彼は戻ろうとする私へそう述べた。
その原動力はいたって普通の感情。
好きな人とずっと一緒にいたい。
ただそれだけの思いが彼を動かしていたのだ。
私は何も答えず彼の手を握りだした。
「私も貴方だけを愛するわ」
いつまでもずっと一緒にいたい。
その思いは、私も同じだった。
たった今、同じになった。
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