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私の住んでいる村は小さな村だ。
人口が百人にもならない、とても小さな村。
周囲は山に囲まれ、村の外には深い森がある。
手つかずの大自然と言えば、聞こえがいいけれど、そこに住む人達にとっては閉鎖的な森ながあるだけだった。
そんなな村だから、外から人が来る事はめったになかった。
村の中で行われる取り決め、掟。
人々は決まりをずっと続けていた。
第三者の、客観的な目に晒されないまま、延々と唯々諾々と従い続けている。
そんな小さな村にはある大きな決まりがある。
それは村でまつられている神様に関係するものだった。
その村では十年に一度、その神様に生贄をささげなければならない。
もし、そうしなかった場合、村に数々の災難が押し寄せるのだという。
そんな言い伝えに怯えた村人たちは、十年ごとに律儀に神様へ生贄を捧げ続けていた。
そして、前回から十年後。
今回は、その生贄に私が選ばれる事になった。