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燃えろ、彼岸花。  作者: 奥之内 莉世
2/2

カースト潰し、教室へ。

私は、佐野内(さのうち)結羽(ゆう)

此処、彼岸花高校に転校して来た高校三年。

何回もの転校を繰り返し、スクールカーストを無くしてきた。

______スクールカースト消滅の達人と言った所かしら。

そして今回はこの彼岸花高校に来たって訳。

大体何処の高校に行っても、一軍になるのよね。

最近はそれがつまらない。

車の窓から見える黒い校舎。

あれが、彼岸花高校ね。

裏サイトでカースト制度が裁かれていると聞くけど本当なのかしら?

でも、私は怯まないわよ。

どんな事があっても、カーストは絶対に無くすんだから。


雪兎(ゆきと)高校から転校して来ました。佐野内結羽です。宜しくお願いします」

軽いお辞儀をして、爽やかに笑う。

____ふーん。此処は随分と華やかなのね。

校則も緩そうだから、良い高校かもしれないわ。

浅墓(あさはか)先生。席は何処でしょうか?」

あくまでも、悪い印象は持たせたくないの。

教師からは、絶大な信頼を。

それは絶対事項よ?

「あ、佐野内さんは黒木(くろき)夏都(なつ)君の隣ね。夏都! 手を挙げな!」

無言で手を挙げる、夏都さん。

あら、見るかぎりは一軍ぽいけどどうなのかしら?

あはは。今回は結構楽しみね。


さあ、どんなスクールカーストか見せて頂戴?


「おい、黒木。これやっといて」

「私もー! これやっといてね~」

「あらぁ、夏都? 先生からもこれをお願いするわ!」

積まれていく仕事。

掃除のモップに委員会の書類、そして教師がやらなくてはならない事。

全て無言で貰いサッサと仕事を片付ける。

長く伸ばした夏都さんの前髪からは、冷静の表情が伺える。

この人は三軍って所かしらね……。

ふふ、良いわ。

さあ、お手並み拝見よ?

「黒木さん、大丈夫? 私も手伝うよ」

軽く微笑んで、手を差し伸べる。

夏都君は手を取るのかしら?

「…………お願い、します」

意外と素直な子なのね。ビックリした。

ちょこちょこと、垂れた猫耳の迷彩柄の帽子を触りながら

マスクを上にあげている。

「えー、黒木の手伝いしちゃうのー? ざーんねん。折角一軍に入れてあげようとしたのに」

彼女は、(はやし)舞彩(まあや)ね。女子のカースト一位って所かしら。

「一軍? 何ですか? それは」

あくまでも、知らないふりをするのは掟よ。

「へぇ、知らないのね? じゃあ、説明してはる」

「はーい!」

元気良さげに出てきた、はるさん?という人。

……カーストは、女子二位ね。

見城(けんじょう)はる。明るく気さくで、皆のアイドルって感じかしら。

「えっとね? 此処はスクールカーストで組まれてるの! それで、舞彩が女子トップで私が女子の二番目! 私達の事を一軍って言って黒木が三軍! たった一人なんだよ~!? 逆に凄いよね! あははは!」

相手を嘲笑うかのような態度。今回のカーストは手応えがあるかもね。

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