魔封師 その5
とりあえず収監されたオプリア、その孫オプリスの元を訪れた二人の目的とは?
ほんっっっっっっとうに申し訳ありません。
今更ながら魔封師、リブートでございます…。
「はじめまして、オプリスです、お噂はかねがね。」
そう言って握手を求めてきたの優男がオプリアの孫、オプリスだった。
とても職人には見えない外見だし聞けば今年で16歳になるという。
自身や息子の婚期が遅れ、遅くできた孫ということでオプリアは甘やかせて育てようとしたようなのだが持って生まれた性格と才能の所為だろうか?10歳になる頃には錠前作りを手伝い始め今では跡継ぎとして立派に店を回しているという。
まあ・・・それで暇を持て余した祖父が魔法に浮かれてあのザマなので良かった物か悪かった物か・・・。
「話は聞きました、祖父が大変迷惑をかけたということで・・・店も・・・おしまいですかね。」
彼は自嘲気味に哂った、そうだろう鍵屋が鍵がらみの犯罪を犯したのだ、信用は地に落ちるだろう。
「それに関してだが、ちょっと相談が有って来たんだ。」
魔石、というものがある。
種類は様々で水晶のような魔晶石、武器や防具に溶かし込んで使う魔鉄鉱石など、用途は違うが主な特性は共通している、魔力を蓄積したり魔力を流すことにより動力を得たりするのだ。
そんな特性を持ってはいるが元々は採掘される石、溶かして使う魔鉄鉱石は別だが石の形で使うには当然宝石のようにカッティングが必要となる、その際に出るのが米粒程の削りカスである。
その削りカスにも当然魔石の特性はあるが生まれる力は微弱な物だし何より魔法効果を発揮する為の文字や陣を書くには小さすぎる。
何も書き込まない魔石に魔力を注ぎ込んでも効果はちょっと光るだけ、今の用途は子供の魔力練習用にビー玉やおはじきに練りこむぐらいだ。
「魔石のカスで鍵を作って欲しいんだ、個人の魔力パターンを書き込んで開閉すればアンロックも通用しないはずだろ?協力したという実績があれば君が祖父とは違うって言う証明になるし。」
「おい待てよ、それだと米粒に個人パターンを書き込むようなもんだろ?そんなに簡単にいくかよ?」
口を挟んでくるピーターの口を手で塞ぎ黙らせて俺は言う。
「それならアテがあるんだ、まぁ黙って見てな。」
「ねぇ、ガイ?あたし貴方に頼みたいことがあるの…。」
あの後、アテ…すなわち魔導協会の研究室を訪れた俺は言った。
ちなみに俺の今の格好はいつものローブ姿ではなくフリッフリのお姫様系ワンピース、受付ではシルフィンちゃんに「嫌味ここに極まれり!」と叫ばれた逸品であるもちろん素ではない、俺って言っているとおりガチガチのお仕事モードである。
「頼みって何だい、サマンサ?」
これ以上ないくらい鼻の下が伸び切ったガイが答える。
ちょろい、ちょろすぎる…こんな奴が研究室で権力持ってて大丈夫なのかこの協会。
「えっとね?ガイが学生時代見せてくれた特技あったでしょ?あれ、見せてほしいんだ。」
ついになりふり構わなくなってきたサム!
果たしてガイの特技とは!?(ご想像どおりのアレです)
その特技をどう使うのか!?(ご想像どおりです)
果たして次話は更新されるのか!?(これが一番不安)
ほどほどに待て!