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魔封師その1

モリーノ領には魔法が存在するようです。

そんな中一風変わった職業「魔封師」

その日常を覗いてみましょう。

「大魔導師ぃ!?」

 思わず出した大声に依頼主である魔導協会の使者、クリスト師があわてて俺の口を塞ぐ。

「これこれサム、こんな酒場で大きな声で叫ぶんじゃありません、まだ極秘なのですから。」

 顔の前に人差し指を突き出したクリスト師が釘をさす。

 しかしとんでもない奴もいるもんだ、言うに事欠いて大魔導師だと?

協会からの依頼はこうだった、最近盗賊どもによる蔵荒らし・・・所謂大規模窃盗が多発していることは聞いていたが調子に乗った盗賊どもは領主に対して挑発とも取れるメッセージを残して行ったそうである。

そこに書いてあったというのだ・・・恥ずかしい文言が。

「大魔道師様を味方につけた俺たちに盗めない物はない、悔しかったら捕まえてみな。」と。

「こいつらマジで言ってるんですか?こんな恥ずかしいこと?」

 思わず聞き返す。

「どうやら本気のようなのです。どうですサム?この依頼受けていただけますか?」

 怪しさ大爆発ではあるが見たことのない魔法に出会えそうではあるし依頼料は破格、何より魔導学校の恩師であるクリスト先生の直々の依頼である、断る理由はなさそうだ。

「わかりました、お請けします。」

そう言って俺は金貨の詰まった皮袋を受け取った。


 依頼を受けたは良いがそもそもの情報が噂程度である、俺は母校でありこの領の魔導の中枢、モリーノ魔導協会へと赴いた。

「ちわーっす、お?シルフィンちゃん今日は受付?いっつもかわいいねぇ。」

「何ですか?嫌味ですか?今日はどうされました?」

 受付をしていた学校時代の同級生、シルフィンは気分を害した様子ながらちゃんと業務をこなそうとする。

「最近噂の窃盗団の記録が見たいんだけど誰が担当かな?」

「それなら・・・ップ、クスクス、ガイが担当よ。」

「えー、あいつかよ・・・。」

「例の依頼受けたんでしょ?文句言わずに行きなさい。」

「今笑ったろ?覚えとけよ?んじゃいってくらぁ。」

 そう言って気乗りはしないがガイの研究室に向かう。


 コンコン!

「入れ。」

 キィっと音を立てて扉を開けて

「よぉガイ入る・・・

「サム!久しぶりじゃないか!ささ、入れ入れ、今日はどうした?俺に会いたくなったか?」

 これだから嫌なのだ・・・無駄に熱い、無駄に近い、キモイ、俺はガイのこういうところが苦手だった、しかも誰彼構わずこうならばただの変人、相手にする必要も無いのだが他の人間には厳格な態度だったりするから同級生の中じゃ一番の出世頭だったりもする・・・世も末だ。

「違うよ、例の窃盗団の依頼・・・あれ請けたから情報と資料をもらいにね。」

「例の・・・ップ、大魔導・・・師のやつな・・・。」

「ああ、大魔導師様のやつだ、詳しく教えてくれ。」

 そもそもはよくある窃盗事件だったらしい、小さな商家の蔵が荒らされて中の荷物がまるごとやられた、蔵の鍵も簡単に開けられたようで一味に鍵開師・・・ロックスミスでもいるんだろう・・・不審な点はその程度だった。

しかし被害が拡大するにつれて不可解な事も増える、中規模商家、大規模商家、豪商とランクアップしていく被害、なのに犯行時間が短すぎる、いくらロックスミスを抱えていてもすんなり開けられる物でもない。

「そして極めつけがあの書置き・・・か。」

「ああ、それで衛兵や協会だけでは早期解決が難しいだろうと君に依頼が行ったって訳さ・・・稀代の『魔封師』様にな。」


はじめまして!

よくあるペンネーム、よっちです。

こんな感じでモリーノ領の日常を徒然と書いて行きますので宜しくお願い致します。

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