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プロローグ
始まりは深い森の中
唐突に死に別れた家族の死を認める事も出来ず、見知らぬ森の中でただただ泣くだけだった私の前に現れた存在
真っ白でふわふわモコモコのとっても可愛い子犬と真っ白な中にキラキラ輝く銀色が混じったトラックみたいに大きくて綺麗な犬
私なんて一口で呑み込まれそうな口が近付いてきても不思議と怖いと思わなかった気がする
後で話したら、感情が麻痺してたんじゃないかって言われたけど、きっとびっくりするくらい綺麗だったのと、目がお母さんみたいに優しかったからだよって返したら優しく笑って包み込んでくれた大好きな、私の家族
一緒に森を駆け、くっついて眠り、時には喧嘩もしたけれどあの日から常に一緒に居てくれた大好きな家族
ほんとに、本当に、大好きな…大切な家族だったのに───