表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

文はたまりにまたって。

雲が薄くのびる明るい空の下で大谷はのんびりと歩いていた。庭をまわったり、城門へ行ったりと、特になんのあてもなく歩いているだけだった。

大谷は結局、庭を一時間程ぼーっと眺め、部屋に戻ろうと決めた。



「あ」


自室に続く廊下を歩いていると、正面から石田が来た事に気づいた。

石田もこちらに気づき、急ぎ足で近づいてきた。


「伊達からだ」


石田は懐から文を取り出し、大谷につき渡した。文は薄い緑色をしていた。

ここが伊達と他の武士との違いの一つだ。

伊達は自分らしさを大切にしている事もあって、何をするにおいても他の武士とは違いを見せる。


「最近、伊達からの文が絶えないが…お前何かしたのか?」


不安そうに石田が問いた。


「いや、何も」


それもそのはず。文の中身は伊達に大谷をくれ、というものだからだ。


「にしても、伊達政宗は見る目があるな。私を欲しいと言うくらいだ」


文を開き、喉奥で不気味に笑いながら、そう言った。

顔がほとんど隠れていると言っても、表情が豊かな大谷は目元だけで気分がすぐにわかってしまう。


「先代もなかなかであったが、政宗のほうも甘くみてはならんな」


伊達家は半年前に家督が政宗に移った。それから文が絶えなくなったのだ。


「三成、東北には当分怖くて入れんぞ」


そうやって賞賛の言葉を並べて、石田の方をうかがう。


「そうだな」


石田は目をそらし、不安そうな顔を必死に隠そうとしている。

大谷はケケケと喉奥で笑う。


「案ずるな。私は何があろうと、ここを出て行く事はせん」


手袋をした手を石田の頭にポンとのせる。

大谷と石田の身長差はだいたい頭一つ分。のせるには丁度良い。

手袋を伝って大谷の体温が伝わってきた。

不思議な安心感があるその手に落ちつかされた。


「当たり前だ。もし出て行ったら刺し殺してやる」


顔を俯け、表情を隠しながら大谷の手をどけた。

これはきっと素直でない石田の必死な照れ隠しなのだろう。

それを見て大谷はまたも笑いがこぼれる。


「気が変わった。三成の部屋へ行く」


瞬間、石田は嫌そうに眉間にしわを寄せ、大谷の方へ向いた。


「この前宗麟から貰った菓子もあるが…?」


石田は「えっ」と小声で驚いた。大友の菓子はいつも珍しいものばかりで、石田も好きだ。


「…‼ダメだ」


石田が欲に負けてはいかんと大谷から目をそらし歩き始めた。

自分をうまく表現する事が苦手な石田に飽きれながら、ため息をつく。


大谷はそっと石田の後ろについて行った。






読了お疲れ様でした‼読んでいただいてとっても感謝です‼


今回は伊達くんからのお手紙のお話でした。

伊達くんが家督を継いだのは確か十八のときだったはず。←

この歳で家督継いで、皆をまとめて、補佐する方はいただろうけどとっても大変ですよね。

尊敬してしまいます。



今回も感想、アドバイス又、質問等々お待ちしております。

これからもよろしくお願いします‼

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ