表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

おみこし




早朝。大谷は自然といつもより早く起床した。

外はまだ薄暗く、ほんの少し肌寒い。だが、きっと既に石田は起きているだろう。

大谷はもう少し寝ようと再び目を閉じるがなかなか寝付けなかった。


大谷はふと思った。


「三成の部屋にでも行ってみるか」


きっと部屋で今日の軍議についてでも考えているのだろう。

そう思いながら、身体を起こした。

ところが、


「はて…これは参った」





昼時。石田は飯を食しながら考えていた。


いつもしているはずの何かを忘れてしまった。嫌でもしていた何かを…



「あ」


石田は最後の一口を食べ終わってやっと気がついた。


「そういえば」


石田はふと周りを見渡す。


「刑部は何処へ行ったのだ…」



石田は大谷に朝からずっとあってないことに気がついたのだ。



そういえば、絶対に午前のうちに嫌でも会うはずのに…

もしやまだ部屋で寝ているのか…?



そんなことを考えながら石田はいつも通り静かに廊下を歩く。もちろん行く先は大谷の部屋だ。




「なっ…」


石田は大谷の部屋に着くなり短く声を上げた。

それもそのはず。大谷の部屋には布団が散らかっているのだ。

掛け布団は入って右側に丸くぐしゃぐしゃになっておかれており、敷布団は真ん中より少し右側に山折でおかれている。まくらだけは左によっていた。


そして肝心の大谷はというと、


「立てんくなった」


襖の近くで大の字になって倒れていた。


石田は動揺しながらも、大谷を起こし座らせた。

大谷は安堵のため息をもらすと口を開いた。


「いやはや、まさか急に立てんくなってしまうとは。近ごろ歩く途中でよく膝がぬけていたからな」


大谷は時折ケケケと笑いながら、いつもの調子で話している。

だが、石田はそうではなかった。

他人がみれば、いつもの石田だ。しかし、大谷から見ると少し顔色が曇っていることがわかる。


「歩けんくなったところでそこまで問題はなかろう。動きたい時は、籠を使えば良い。それに足が動かんくなっただけで腕は動く。心配は無用ぞ」


大谷は軽い調子でものを言い、目元を笑って見せた。


「そうか…では他に変わったところはないのか?」


そんな大谷を石田は心配そうに見る。


「そうな。強いて言えば、視界がぼやけてきたな。だが、これは誰にでも起こりうること。故に心配は無用ぞ」


大谷はまたケケケと不気味に笑った。


石田はその時ふと違和感に気付いた。

大谷の顔はいつもより表情をつくっていた。石田知っている。表情を言葉の感情の通りころころ変えるのは、大谷が周りに心配をかけないようにしたり、不安を隠そうとしている時である。これは、大谷が無意識のうちにやっていることだ。

石田は声を出さずに浅くゆっくり頷いた。


「ところで三成」


「なんだ」


大谷は目元の笑みをとり、しずかにものをいう。


「私は朝から何も食べておらん。餓死してしまう」


石田は、はっと気付き慌てて立ち上がった。


「すまない、今持ってこさせよう」


石田はそういうと足速に大谷の部屋をあとにした。



石田の微かな足音を聞き届けると、大谷は柄にも無くため息をついた。


「籠は嫌いじゃ」

だんだんあの大きな戦が近づいてきました。


読了お疲れ様です!そしてありがとうございます!


このあとの二人はご飯を食べて、部屋の片付けしてそれから軍議をします。


書く事があまりないので、つまらぬ余談ですが、私は大谷吉継公のことを吉継様って呼んでます。よく作中で間違えます。



ではでは、今回もよろしければ、感想アドバイスお待ちしております!

ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ