Far cry 2 でも見てみよう。
Far cry 2
今回ご紹介するのはFPSゲーム「ファークライ」シリーズです。
シリーズですが物語上の繋がりは全くありません。
そしてこのゲーム、あまり真面目にレビューするというのはあまり...な気がするのですがそれでもまぁ自分の好きな悪役がいるということで。
ちなみに1は未プレイなのです。 面白いという話なのですけれども。
ゲームシステムは50km四方の広大なマップを自由に駆け抜け、クエストを受けたり武器を買ったりしてメインストーリーやサブクエスト等をこなしていきます。
2では戦闘で傷を負えば多彩かつ強烈な止血や手当のシーンの数々を見せてくれます。
銃弾が貫通した衝撃で外れた肘関節を気合と共にバキっと戻したり、体内に入った弾丸をペンチ一つでこねくり回して摘出したり...。
リアルといえば聞こえはいいですが、かなりキテますね...
ファークライ2の舞台は絶賛紛争中のアフリカ某国。
二つの勢力が延々と戦争しています。
「ジャッカル」と呼ばれる武器商人でもあり、傭兵でもある謎(?)の人物がこの二つの勢力それぞれに武器を売り、それのせいで紛争が激化しているらしく、主人公はジャッカルを暗殺するべくアフリカの大地に降り立つ。
というのが導入部ですね。
ストーリーは終盤まではどちらかの陣営に付いて任務を達成し、ジャッカルの情報を収集することになります。
ストーリーは終盤まで淡々と進むのでcall of dutyシリーズに比べるとストーリー自体は面白みに欠けるかもしれません。
が、終盤までの味方(とはいってもゲーム中での存在感はかなり薄いですが)や敵の思惑、欲望といった黒々とした「暗さ」は独特なモノがありますね。
完全ネタバレですが何分昔の作品なのでご容赦を。
ゲーム中盤、敵対勢力に裏切られ傭兵仲間共々殺された主人公。
瀕死ながらなんとか死体処理トラックから逃げ出したものの場所は砂漠地帯でしかも砂嵐の真っ只中。
なんとか小さな小屋へと入るものの、アフリカ入りしてから罹ってしまったマラリアと瀕死の傷によって意識が途切れ...
次に目覚めた時目の前にいたのは、殺すべき目標のジャッカル。
ジャッカルはスタート直後にも、マラリアでぶっ倒れている主人公にナタを突き付けて去って行ったりと主人公の存在や目的を知っているらしい。
しかも今度は傷の手当までしてくれたのに勿体ぶって肝心な事は言わずにまた去ってしまいます。
そして裏切った組織への報復とさらなる情報収集を兼ねて今まで散々攻撃してきた敵対勢力へと鞍替えした主人公、そこで新たな傭兵仲間達も得て、いよいよ戦いは佳境へ。
ゲーム中、主人公はジャッカルを暗殺したいだけなのに次から次へと水差し野郎達が見事なまでに邪魔をしてきます。
どいつもこいつも自分の事しか考えていません。
任務を成功させたと思ったら味方の筈の武装勢力に裏切られるわ、マラリアの治療薬を貰いに行ったら出国ビザくれないとあげるのは無理とか言ってきたり。
挙げ句の果てには停戦の為に必要なダイヤモンド(通貨の代わり)を「金になるから」という理由で強奪するジャッカルとは別の武器商人達。
そんな中で遂にジャッカルは主人公の前に姿を晒します。
彼は全てを語ります。
なぜ紛争を起こしたか、そして、主人公とジャッカルがこれから何をするべきなのかを。
自分の事を必要悪だと言ったり、テレビだろうが武器だろうが、俺が売ることで経済が回ることに違いはないと言い放ったり。
それでも、取材テープの中で少年兵の惨状を「こんなのは狂っている」と残したり、悪役に徹しきれない人物がそこにいます。
そして最後に、主人公にある選択を迫ります。
どちらも、救いのない選択ですが。
ジャッカルと主人公が最後に何をしようとしていたのか。
「選択」とは何だったのか、はプレイするか検索するかのどちらかで分かりますので。
他にも、信頼の深まった傭兵仲間達を撃たなければならない状況など...
この作品には、清い正義感に溢れた人物はいません、誰もが自分の利益と命を守ることが第一です。
主人公ですら、その中の一人です。
"秩序"とは何なのか、"正義"とは何か。
今現在もアフリカや中東で起こり続けている紛争や内戦に内包される様々な原因を提起しているという点で、本作品のストーリーは興味深いモノになっていると思います。
「AK-47がバランスを取る、なら、俺が力になってやる」等、割と記憶に残る台詞も多いですね。