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ここからはじまる物語  作者: 滝沢美月
第1章 この関係は友達?
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すけてみえる2つの気持ち



 学校までの道のり、カンナは楽しそうに話してた。


「昨日はずっと部活でさー」


 カンナが御堂君のことを気にしてたのは始めだけで、その後は、週末の出来事を話してくれた。


「休みの日も練習なんて、えらいね」


「もうすぐでっかい大会があるんだ! なのに今日から試験前で部活停止でしょ。休みの日に練習しても時間が足りないくらいだよ」


「へー、真面目にテニスやってるんだね」


 真剣なカンナがすこし可愛くて笑ってしまった。


「うん。部活でも、やるからには勝ちたいしさ!」


 力強く言うカンナは、キラキラして眩しかった。すごく前向きなんだなと思った。


「中学の時もテニス部だったの?」


「いや、中学ん時はサッカー」


「運動神経よさそうで、うらやましい……」


 つい、本音がこぼれてしまった。


「譲子さんだって、泳げるんだから運動神経いいでしょ?」


 そう聞かれると思った……

 私は、ため息をついて言った。


「泳ぎは得意なほうだけど、球技は苦手。だから運動神経良いって言えないよ?」


 私は、泳ぐことと走ることは得意だけど球技がド下手で、体育はいつも平凡な三なのだ、悲しいことに。

 複雑な気持ちで言うと、カンナが聞いてきた。


「バタフライも泳げんの?」


「いちお、泳げるよ」


「じゃー、運動神経いいじゃん!」


 上から覗き込んできて、言い切る。

 なんだか、カンナが言うとそう思えるから不思議だな。




「譲子さんは、週末何してたの? 休みの日はなにしてるの?」


 話が戻って、私のことを聞かれた。


「休みの日は、やっぱり読書かな?」


「読書好きだね」


 そう言って笑うカンナ。


「俺も本は好きだけど、漫画が多いかな」


 つられて笑う。私も、漫画も好きだよ。


「日曜は、中学の同級生と会ってた」


「へぇ、仲いいんだね! よく会うの?」


「中3の時のクラスはね、男女関係なくみんな仲良かったよ。クラスの団結力もあったし」


 うんうんって頷きながら、私の話を聞いている。

 カンナは、自分の事もたくさん話すけど、相手の話もちゃんと聞いてえらいな。一緒に話してて楽しい。私は話すのは得意じゃないけど、ついついたくさん喋ってしまう。


「仲いい友達とは月1回くらいで会うかな? あっ、今度同窓会やろうって話になっててね、さっき御堂君に……!」


 そこまで言って、はっと気づく。

 御堂君の話題は避けた方が良かったかなって思いカンナを見ると、さっきまで笑顔でこっちを見てたの、今は正面を見てて表情がうかがえない。

 あまりに喋るのが楽しくて、余計なことを言ってしまった、かも?


「えっと、御堂君とは中学も一緒でね? って言っても、そこまで仲良くなくって、さっき話したのもすごく久しぶりで……」


 私が、あたふたと説明してると。


「ぷっ」


「えっ?」


 カンナを振り仰ぐと、お腹を抱えて笑ってる。


「あはは、ごめん。譲子さんが、真剣に悩んでるから……」


 笑いすぎて、涙がでてるカンナ。

 ひっ、ひどい!

 カンナを怒らせちゃったかと思って、私、すごい焦ったのに……


「さっきはみんな仲良かったって言ったのに、今度はそこまで仲良くないって、矛盾してるし」


 言って、カンナは笑いを堪えようと手を口に当てるけど、結局耐えきれずに笑う。白い歯を見せながらにぃーっと笑って、こっちを見てる。

 私はふぅーっと、ため息をついて。

 なんだか、誤魔化そうとしたことが馬鹿らしくなって、言う。


「だって本当。中学の時は仲良かったけど、今はぜんぜん話さないから。ただのクラスメイトってカンジ」


 そう言った自分の言葉で、心なしか気分が沈む。


「俺は? 友達?」


 カンナが覗きこんで聞いてくる。


「カンナは友達。カンナがそう言ったでしょ?」


 そう言うと、カンナはにこって笑って。


「うん、クラスメイトより友達のが仲いいよね? ならいいや」




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