表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春映像オムニバス あなたも、青乃春(あおの はる)。  作者: 舟津湊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/44

卓上交換日記

うちの高校も遂に立て替え工事が完了し、二学期より新しい校舎、新しい教室に移る。


終業式のあと。

オンボロ校舎、オンボロ机に何かと不満タラタラだったクラスメイト達も、さすがに感慨深げに教室の中や廊下を隅々まで巡り、見納めする。ボロいがゆえの愛着もある。


私もその一人として、さまよっていた。


でも、灯台もと暗し。

私は、自分が使っていた机の片隅に、ボールペンで描かれた小さな文字列を今さらながらに発見した。


目を凝らして解読する。

同様に、隣の席の谷口君も机の隅をまじまじと見ている。


「ねえ、谷口君、机になんか書いてあるの?」

「ああ。見てみる?」


きたかぜが 肌にしみるぜ ボロ校舎

みかんがさ 弁当のおまけ うれしいぜ

がっこうの ボロさを隠す さくら道

スイカ割り 臨海学校 おれ主役

キンモクセイ 香る小径に 君の影


ヨミビト マサ


私は、自分の机に書いてあるものを谷口君にみてもらった。


わらやきの 煙が滲みる 学び舎よ

たくあんに ちくわのマヨ味 マンネリね

しんにゅうせい 花の踊りに 胸躍る

もうしょでも 海の思い出 アルバムに

よみちゆえ 部活の帰り きみが守る


ヨミビト スミ


「どうやら、この席の二人は、俳句と返歌を繰り返してたみたいだね。」

「机なんか、席替えであっちこっちに移動していただろうに、また隣り合わせになったのかな。凄い偶然ね」


私は、詠み人として書いてある名前が気になった。


オトンの名前は、マサツグ。

オカンの名前は、スミエ。


二人は私と同じ、この高校の同窓生だ。


今わかったこと、三つ。


オトンとオカンの在学中からこの学校は、ボロ校舎だったこと。

ネット掲示板がない時代から、タテ読み文化があったこと。

私と谷口君は、オトンとオカンと同じ机の席に座っていた、ということ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ