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私たち日本人はエルフのようなものかも知れない。

作者: 天海波平

何となく思ったことのエッセイです。


チラシの裏感覚ですのでご了承を……

 うまく説明は出来ません。

 これは最初に言っておきます。


 感覚を言語化する難しさは小説を書く人はもちろん、このようなエッセイ、詩などを含めてかなり困難な作業です。

 人は全てにおいて通じ合えるのは、ほぼ不可能だと思っています。

 だけど、絶対に分かりあう事が出来ないかといえば、決して「そうだ」とも言えない。

 それを踏まえて書いていきます。


 このエッセイのタイトルでもある「日本人はエルフのようなものかもしれない」と、そう思うきっかけは、縄文時代という日本建国からみても遥か昔の生活を思い起こす事でした。


 縄文時代の土器は古いもので16000年前と言われています。

 その長く古い縄文時代において地球は温暖期と寒冷期の入れ替わる時期が約300年間隔で起こっており、それによる海水面の変化がどの時期にどれくらい起こっていたかも分かっています。

 また、鬼界カルデラの噴火という強烈な自然災害の発生が西日本を壊滅的にまで破壊したことがわかっています。


 土器の発明により保存が出来るようになった事で生活は安定向上しただろう。 

 火山の噴火の影響で人は東日本や大陸に移り住んだだろう。

 だが寒冷期になったら暖かい西日本へと移ってきただろう。

 そんな科学的根拠に基づいた推測で、私たちはその時代を知る事が出来るようになりました。

 

 その時代は争いというものがありませんでした。

 その時代の遺骨などから殺傷による痕跡は全くないと言われています。

 また剣や槍などの対人戦の武器は弥生時代以降では発見されていますが、縄文時代の地層から出土されていません。

 弓はありますが、小さく狩猟用のものしか出土されていません。

 私たちの遠いご先祖さまは争いなどは起こさない種族だったのです。


 また、季節の巡りを正確に知るため、冬至と夏至の太陽が昇る位置を正確に測る事が出来るストーンサークルに似た巨石文化を持っていたようです。


 そしてこのエッセイのテーマに繋がりますが、私たちのその遠いご先祖さまは自然崇拝、つまり自然そのものを「神」として崇めてきました。

 これは何も日本独自のものではありません。

 世界中の至る所でこの自然崇拝(=アニミズム)というものはあります。

 ですが、その自然のあらゆる現象に対する感覚を受け取る能力が高いのが縄文人であり私たち日本人であると思います。

 その代表的な話で言えば「虫の声」でしょう。

 私たちは虫の羽音を「声」と言います。

 鈴虫やコオロギの「声」を聞いて秋の訪れを知ることが出来ますが、外国の人のほとんどは虫の音色を「騒音」と捉えます。

 右脳と左脳の働きの違いによるところみたいですが、ある意味しっかりとDNAに刻まれた縄文時代から続く特殊能力といえます。


 言葉の中に「虫の知らせ」ってありますよね。

 それも全くのデタラメとは思えません。

 いくらでも不思議な話は現代でもあります。


 渡り鳥や鳩が持つ「帰省本能」のように私たちには不思議な能力を兼ね備えた人種の末裔かも知れません。


 事実、なろう作家の多くの作品やその他にも、エルフが登場して虫や植物に話しかけるといった内容がありますが「虫や植物と話をする」という概念がなければそのような発想が起こりうるはずもありません。

 それを自然に捉えることのできる私たちは、縄文時代から続く感覚を持ち合わせているのではないでしょうか?


 一万年以上経っても保ち続けるこの感覚はいったい何なのでしょうね?

 そんな事を考えていたら「日本人ってエルフっぽいよな」と思ったわけです。

 

 いま、人間とエルフの時間的感覚の違いをテーマにしているアニメが話題ですが、それもまた縄文から続くこの感覚が引き起こされているからかも知れません。

 

 虫や植物に、岩や滝や空の星に、あなたの身の回りのモノなどその全てに語りかける事が出来る人は、エルフに似た感覚を持ち合わせた人だと私は思っています。

縄文人から見て、現代人はどう映るのでしょうね?



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― 新着の感想 ―
[良い点] 良いですね 私もこの一年で日本人のルーツ縄文人に興味深々の輩です [気になる点] エルフよりは現実神が近いと思います [一言] とはいえ、縄文人も新人と旧人の末裔に過ぎません ただ、3万…
[一言]  西洋だと、そのままではなく、より擬人化された、妖精や精霊になってしまいますからね。  西洋のエルフを縄文人とリンクさせる感性が面白かったです。
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