はちみつ捜索?
黄金遺跡群
常闇の城を飛び立ったUNKNOWNは、黄金に輝く黄金都市周辺に広がる黄金遺跡群上空に来ていた。
何故遺跡群に入らないのか、遺跡群から飛来した黄金のドラゴンが立ちはだかったのだ、UNKNOWNは秒殺するつもりで右手を翳し詠唱した、勿論魔法の名前のみである。
「デストロイフレイム」
放たれた巨大な白い炎は光を発しドラゴンに迫る。ドラゴンは避けようとするが、山1つ吹き飛ばせる程の魔法なので範囲が広い。直撃した白い炎は周囲の遺跡を一部崩壊させた。
光が収まるとそこには満身創痍でありながらも飛行を続けるドラゴンの姿があった。
デストロイフレイムを耐えるスペックの金のドラゴン?何それ是非欲しい、そんな考えに至ったUNKNOWNは鑑定を発動。
<ゴールドドラゴン>
確認できた情報は見れば想像が付くような安直な名前のみ、構わずテイムしようと試みる、しかし幾つかの方法を試したが不可能だった
そもそも運営が用意した特殊な存在でテイム不可能な存在なのではないか、という普通のゲームなら当たり前にあり得る可能性を一瞬考えたが、すぐさま放棄しCWOならなんとかなる方法があるのではないか、というCWOへの信頼からとりあえず捕獲する事にしたUNKNOWNは二つ詠唱を行った。
「グラビティコントロール」
「ガイアコントロール」
グラビティコントロールによって地に落ちたドラゴンを隆起した大地が拘束する。土を成形し、瓦礫で隠して捕獲完了。
こうしてUNKNOWNははちみつ捜索を再開した。
探知魔法に、はちみつの持つ多機能デバイスに内蔵された発信器の反応があったので遺跡に来たが、そもそもがこれを使ってメッセージを送れば済む話、じゃあ何故わざわざ呼びに来たのか、それはただメッセージを送って待つのは面白くない。反応が黄金遺跡からのものだったため、黄金遺跡?探索するしかないだろ、となってしまった、この二つが理由である。
黄金遺跡はCWOサービス開始から2ヶ月程で発見された遺跡であるにも関わらず未だに謎が多く、突如防衛機能が作動して探索していたプレイヤーが死亡したとか行方不明になったという報告が後を絶たない、なんなら探索専門のクランがクラン丸ごと一瞬で死亡した、なんて話もある。
その結果プレイヤーの間では現在確認されている中でもトップクラスの危険度と難易度を誇る未踏破未攻略のエリアと認識されている。
じゃあどうやって都市に入るのか、まず簡単に都市の構造を説明しよう、都市の回りを壁が囲い、その中に街があり、中央に巨大な城が存在する、そこから四方に大きな道が敷かれている、この道が遺跡群の外側まで繋がっている、この道を通ると防衛機能が働かず出入り出来る、ただこれも過去に例が無いだけで、100%大丈夫です、というわけでは無いので近寄らないプレイヤーも多い、因みに全て黄金で作られている。
遺跡群の危険度だが、UNKNOWNが捕獲したドラゴンに関してもUNKNOWNが相手だったため分かりづらいが、黄金のドラゴンも相当な戦闘能力を持つ、山一つ吹き飛ばせる魔法の直撃を食らって耐えるというのは現在確認されているモンスターではまずあり得ない。そのためクランに入ると、遺跡には入らない方が良い、と警告されたりする。
肝試しだとか賭けに使う猛者も一定数存在する。
はちみつを助けるため、などという理由ではなく黄金遺跡を探索したい、という理由からここに来たUNKNOWNだったが早々に邪魔が入った。
遺跡群の瓦礫が動いて集まり合体、最終的に頭が乗せられ目が光を放って黄金のゴーレムが完成してしまった、しかしUNKNOWNは見逃さなかった。瓦礫が集まっていく中心に何か光る四角い物体があった事を、あれがコアなら盗らないという選択肢などあるはずもない、まずは鑑定。
<ゴールドゴーレム>
またこんなんである、しかしUNKNOWNの右目は少し特殊で魔力がうっすら見えるのだ。胸から全身へ魔力が巡っているのが分かる、コアを心臓とすれば魔力は血液、間違いなく胸に心臓がある
下手な攻撃をすればコアもろとも破壊してしまうかもしれない、と考え右手を翳し詠唱した。
「アブソリュートゼロ」
一瞬でゴーレムを氷漬けにし、ピッケルを片手に削り始める、胸の辺りを掘り進めていくとその部分だけ氷が無くなった。次の瞬間熱線が放たれた、が装備のお陰で無傷である、そのまま胸を掘り進め中からコアを取り出すと目の光が消え魔力の流れも消えた。
ゴールドドラゴンを捕獲し、ゴーレムのコアを入手、その成果に満足しきったUNKNOWNははちみつ捜索をすっかり忘れてクランの基地に帰っていくのであった、この時クラウンからのメッセージが届いていたのだが、気付かずドラゴンをぶら下げ帰還、それに気付いたのは基地に到着してからの事だった。常闇の領地の探索は暫くかかりそうである。
?を付けたからタイトル詐欺にはならないはず……………だぁ………………