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開戦

城塞都市5 UNKNOWNの隠れ家


ここはheaven armyのクランハウスからそこそこの距離にある城塞都市。領地では無くNPCによって運営されている都市である。


そこにUNKNOWNのメンバーは来ていた、heaven army襲撃をどうするか、という話し合いをするために急遽作った隠れ家に集まったのだ。


前日にガチャを回すために集まっていたのだからその時やれば良かったのだが、そもそも戦力的に考えて余裕なので当日にちょっと打ち合わせを行えば大丈夫だろう、という事で当日になった。


全員が席に着いたのを確認して、いつものようにクジョーが進行役を担当し打ち合わせが始まる。


「打ち合わせを始める、ぶっちゃけ適当にやったって負ける要素は無い、だがあれだけ盛大に喧嘩を吹っ掛けたんだ、派手にぶちかましてやりたいところだが、何かアイディアはあるか?」


クジョーの問いに真っ先に嬉々として答えたのはメビウスだった

「爆弾でクランハウスもろとも吹き飛ばせ」


「それじゃ戦力自慢にならないでしょ、まあクランハウスを吹き飛ばすってのは良いと思うけどね」


「それは最後にしようよ、跡形も無く吹き飛ばせば最高に盛り上がるよ」


「クランハウスを吹き飛ばすってのは採用だな、他には?」


「逃げられないように壁を創ったらどうかな?」


「よし採用」


こんな風に気楽に適当な感じでheaven army襲撃作戦は完成した。


数分後UNKNOWNのメンバーは城塞都市の東方にある丘に来ていた。


そこから見渡せる平原は広くそこにheaven armyのクランハウスは存在する。平原は障害物が無く目立つためあまり拠点を作るのに向かない、しかし敵がクランハウスを襲撃してくるとなればそれを即座に発見出来るというメリットがある。heaven armyほどの大規模クランならわざわざクランハウスを隠すまでも無いのでこの名も無き平原が選ばれたのだ。


一応諜報部隊隊長のメビウス、鳥型ゴーレムが気に入ってしまったクラウン、作戦を進めるため地形を把握していなければいけないUNKNOWNと眼鏡、heaven armyの動向を探るシロちゃん、この五人で偵察を行っていた。


それ以外の五人は周囲の警戒を行っている、と言ってもクラウンとUNKNOWNの幻影魔法で隠しているため見付かる心配は無いのだが。


五人は偵察を終えまずクラウンが報告する。


「クランハウスって言うかもはやクランタウンだね、とりあえず即席だけどマップ作ってみたよ」


クラウンが多機能デバイスを操作すると画面から3Dモデルが投影された。クラウンの言うように多数の建物が建てられておりまるで町のようになっている、そしてそれらを一つだけ門のある壁で囲っている、それを見たメビウスは話しだす。


「レーダーのお陰で大体把握出来た、爆弾は全員に渡しておく、戦いながら指定したポイントに仕掛けてくれ、タイミングを見て吹っ飛ばす」


3Dモデルの数ヵ所を指差しクラウンがそれを記録する、それを見てクジョーは頷いた、そしてUNKNOWNと眼鏡に問いかける。


「壁はどうだ?」


「問題無い…………」


「問題無さすぎて罠じゃないかと思うほど問題無いぜ」


「後はあいつらの動向次第だな」


「それも問題無いよ、城塞都市にいた奴も戻ったみたいだし相当集まってる、そろそろ仕掛けても良いんじゃないかな」


「それなら良いか、全員作戦は把握してるな?負ける事はまず無いだろうから気楽に行こう、失敗したって相手にゃ分かりゃしないからな、それじゃ始めよう、二人とも頼む」


打ち合わせ通りにUNKNOWNと眼鏡は壁を作るためにクランハウスへと近付く、もちろん幻影魔法を使っているので気付かれる事は無い、そしてある程度近付いたところでそれぞれ別の詠唱を行った。


「ガイアコントロール」


「クリエイション」


大地が隆起し土台が作られその上に壁が出来た。


UNKNOWNがガイアコントロールで土台などを含む下部を作り、眼鏡が錬成魔法によって上部を作ったのだ。


壁はheaven armyのクランハウスを完全に囲っている、当然下を掘って逃げられないように対策もしている、具体的に言えば壁を作っている最中にUNKNOWNは土台を作りながらメビウスから渡されたセンサー付きの爆弾を壁の外側の地面に埋めていたのである、なのでもしも地面を掘って逃げようとすれば吹っ飛ぶ事になる。


壁の完成を確認した他のメンバーも近づいてくる、彼らは黄金のドラゴンを引き連れていた、UNKNOWNが戦ったドラゴンと似ているドラゴンだ。ここにいるのはUNKNOWNが戦ったそれよりも遥かに大きい。


黄金都市の防衛機能を調べた結果人工生命体のような物である事が発覚したのだ、黄金遺跡の黄金を回収し、全てのドラゴンを一度解体し組み直し十体のドラゴンを作った


バラバラだった黄金をまとめたため相当なサイズになっている、全ての黄金をドラゴンにしたわけでは無いが。


そんな中で一体飛び抜けて大きいドラゴンがいるUNKNOWN専用のドラゴンだ。「リーダーのはやっぱり特別製じゃないと」とクラウンが謎の拘りを見せ勝手にいじくったのである


全員が武器を片手に持ちドラゴンに乗って飛んでいき壁を越えた、すでに幻影魔法は解除しているため魔法と矢が大量に飛んで来るが誰も構う事無く突撃していく、全員がそれぞれ叩き落としているのだ。


段々と攻撃は激しくなっていくが誰一人として脱落する事無く門の近くまでたどり着き全員が武器を片手にドラゴンから飛び降りた、役目を終えた十体のドラゴンはクランハウス上空を周回し始めた、周囲を警戒するためだ。どこから横槍が入るかも分からないため参戦させず見張らせる事にしたのである。


ドラゴンから飛び降りたUNKNOWNたちは門の前までやって来た、そこで十人のプレイヤーが待ち構えていた。

それを見たクジョーはUNKNOWNに訪ねる

「どうするリーダー?」


するとUNKNOWNは死神の鎌を左手に持ち変え一冊の魔導書を取り出した、禁じられた魔導書である。

UNKNOWNが魔導書を開き魔力を込めると魔方陣が浮き上がる、魔方陣の中から黒い球体が出現し十個に分裂、門の前にいたプレイヤーに向かって一直線に飛んでいく。ほとんどのプレイヤーは避けようとしたが球体は方向転換し直撃、小規模の爆発を起こし死亡。剣で弾こうとしたプレイヤーもいたが剣に触れると同時に剣もろとも吹き飛んだ、こうして門の前にいた十人は全滅した。


「いやぁ凄いね、禁じられた魔導書だっけ?あとで幻影魔法で防げるかやってみたいね」


UNKNOWNは魔導書を収納し、死神の鎌を右手に持ち変える、それを見たクラウンは残念そうに言う。


「えぇ魔導書使わないの?」


「消耗が激しいからこっちを使う…………」


UNKNOWNは無造作に死神の鎌を数回振るった、次の瞬間門はバラバラになり崩れ落ちた、こうしてUNKNOWNはheaven armyのクランハウスへと足を踏み入れた。

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