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世が世ならあたしだって傾国のかぐや姫になれるんです  作者: 藍碧
第一章 かぐや姫降臨
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プロローグ

何となく平安時代っぽい世界ですが、召喚魔法も使える別次元なので、時代考証とか考えずに楽しんでもらえたら嬉しいです。

あたしは菜摘。

今、あたしは中学3年生の春休み中で、あ、でも卒業式は終わっているから、もう高校1年生と言った方が良いのかな。


今度入ることになる隣の市の高校は、親友と思っていた絵里と一緒にずっと入りたかった高校で、だから揃って合格した時は本当に嬉しくて、抱きあって喜んだんだけど。

今はもう、あの高校に絵里と一緒に行きたくないし、どどーんと落ち込んでる。


昨日、絵里から電話で、同級生の玲君から告られたって、ホントに嬉しそうに手放しで報告して来たけど、あたしも玲君が好きだったのは知ってますよね?


あたしと絵里は幼なじみで、生徒会長だった玲君に二人で片思いしてて、今度の高校だって玲君の志望高校だったからすごく頑張ったのに。


そりゃ絵里はスポーツ得意だし、クリクリとした目に少し茶色がかった髪が天然パーマの可愛い子だから、別の男子にも告られたこともあったし、仕方ないって諦める外ないってわかってはいるんだ。


だけど三人共同じ高校で絵里と玲君が付き合ったら、あたしは何だかすごく惨めな気持ちになってしまう。


いつもの(ドウセ虫)がやって来ちゃう!


どうせあたしは、背が低い割にちょっと太めで、一重まぶたで鈍臭いインドア派ですよ。

どうせあたしは、真っ黒の重い髪を一つに結んだ『残念かぐや姫』ですよ!


それは中学1年生の時に入った歴史クラブの顧問で担任の熊沢先生が、『菜摘は平安時代の美人顔だねぇ、小野小町やかぐや姫も菜摘みたいだったかも知れないねぇ』ってあたしのことを言ってから、友達に『(残念)かぐや』って呼ばれるようになったんだけど。


実は今日こんな髪型にしてるのは訳があって、今あたしは家のすぐ近くにある神社のお祭りで巫女のアルバイトをしてるのだ。


神社の係のおじさんからは、「お、巫女姿が良く似合うね。馬子にも衣装だ」なんてお世辞のつもりで言われたけど、ほっといてほしい。


この辺りはホント田舎だし、小さい山の上にある神社だから来る人も少ないし、仮設テントの中でこの時だけお守りとかお札を売るだけなので、アルバイトとしては楽な仕事だ。 


普段だったらスマホでコミックを読んで楽しく時間つぶしだってできるけど、今はすっかり落ち込んで、地面の中にズブズブ沈んでしまいたいくらいの真っ暗気分。


暗い気持ちでいたら、急に天気までどんどんと悪くなって来て、真っ黒な雲が湧いて凄まじい豪雨になった。


更に雷まで鳴り出したその瞬間、バリバリという轟きと共に辺りが真っ白に輝き、あたしは気を失った。









菜摘が落ち込んだのは、失恋したショックというよりは、自分が選ばれない側に居ること、友達が自分の優位を見せびらかしたこと、自分も友達の幸せを喜んであげられなかったことに気がついて、どどーんと落ち込んでいたんですね。

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