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事件

これはシナリオです。

○晶子の部屋、夜

   ハムリンと戯れている晶子。

   ゲージを開けてハムリンを外に出す。

   駆け回るハムリン。


○晶子の家の階段、夜

   元気一杯階段を下りるハムリン。

   晶子、上から声をかける。

晶子「ハムリン、ハムリン!そこ行っちゃだめ!」


○同、玄関、内、夜

   玄関のドアが突然開く。

   立ち止まり驚くハムリン。

   秀夫が入ってくる。


秀夫「もういいじゃないか、そんな事」

   英子も入ってくる。


晶子「(2Fから)お帰り。あっハムリン!」


   ハムリン、秀夫に飛び掛り噛み付く。

秀夫「あっ、このやろう。畜生、ネズミまで

   俺をバカにしやがって」


   ハムリン、飛び降り階段へ。

   秀夫、よろめきながら靴を脱ぎあがる。

秀夫「くそっ」


晶子「(二階からの声)ハムリン、こっち!」

英子「あなた!」


○同、階段、夜

   恐ろしい形相で階段を這い上がる秀夫。

秀夫「殺してやる」


   必死で駆け上がるハムリン。

晶子「ハムリン、早く中へ入って!」


○同、晶子の部屋、夜

   奥のゲージへ飛び入るハムリン。

   後ろ手にかばって階段を見つめる晶子。

   

   脇にハムスターの置物がある。

   晶子、手にとって頭上に構える。


   額から血を流しものすごい形相で秀夫が現れる。

   その瞬間目をつぶって思い切り陶器を投げつける晶子。

   晶子、そのままひっくり返り気絶する。


秀夫「わーっ!」

   階段を転げ落ちる大きな音。

   階下の英子の絶叫、

英子「キャーッ!下りてこないで晶子!来ちゃだめよ、キャーッ!」


○同、玄関、内、夜

   階段下に秀夫が横を向いて頭から血を流し倒れている。

   頭上と回りには粉々になった陶器の破片と血だまり。

   脇で英子が泣き崩れている。


   玄関のドアが開いて隣人が駆け込んでくる。

隣人「どうしたの奥さん?あっ」


   隣人、異常な状態に気づく。

   英子、放心状態で立てない。低い声で、


英子「主人が階段から転げ落ちて。打ち所が悪かったみたい、

   すみません、救急車と警察を呼んでください」

隣人「あっ、はい」

   隣人、慌てて玄関を出て行く。   

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