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第6回 『いじめ』という言葉の使用を中止すべきでは?

 いくつかの定義があるとは思いますが、一般的に『いじめ』という言葉が指す暴行(身体的・精神的)は、児童や学生に対して使用される場合が多いかと思います。


 もちろん社会人になってからも会社の中での『いじめ』はありますが、近年では『パワハラ』など英語のハラスメント(harassment:嫌がらせ、 いじめ)という言葉を用いた表現が増えてきていますが、学校関連では通常『○○ハラ』のように、ハラスメントという言葉を用いた表現は聞きません。


 もちろん会社などで行われる様々なハラスメント行為は糾弾されるべき事ですが、学校でのいじめは会社などで行われる場合などよりも集団で行われることが多く、相談できる仲間も少なく、被害者側が警察や弁護士などに相談できるような知識も機会も少ないため(実質的には親ならともかく、いじめの被害者本人のみでは無理な場合が多いと思います)、社会人よりも泣き寝入りになる場合が多いと私は思います。


 文部科学省の平成29年度データによれば、いじめ防止対策推進法で規定された重大事態とされる案件(文部科学省によると「生命、心身又は財産に(対する)重大な被害」であるとされています)で1号と2号とに分かれてはいますが、合計すると523件であり、そのうちいじめの重大事態は474件、その中で学校が関係した案件は464件となっています。残りの10件は資料では調査中となっていますが、事実上ほぼ全て学校が関係してイジメが行われていると判断して過言ではないでしょう。


 そして1号重大事態の中には『生命』に関する事案が55件となっていますが、これは自殺または自殺未遂の総数です。他にも身体、精神や金品等といった項目がありますが、身体28件、精神が92件であり、金品等が16件と、自殺関連が2位になっている事自体が以上ではないでしょうか?(41件は資料の中では調査中)


 重大事態とはいじめ防止対策推進法第28条第1項第1号で規定されているそうなのですが、そもそもこの数字自体が私は氷山の一角であり、実際に亡くなってしまわれた子の数ならまだしも、数字に含まれないじ『自殺未遂』は確実にあるのではと考えています。他にも規定されている身体や精神、金品等はさらに多いとしか思えません。


 しかし残念ながら報道でもあるようにいじめを学校側が隠蔽したりなどのこともあるため、実際の数字がどれほどになるかは分からないでしょう。何より文部科学省のホームページに『文部科学省が把握した数値』でしかなく、近年ではインターネットを用いたいじめなどもある事と、2019年のNHKの報道では不登校の小中学生の数が14万人を超えるなどといったことを考えれば、不登校の全てがいじめを起因としたものではなかったとしても、万単位のいじめが現実に起っていると考えるのが自然ではないでしょうか?


 今でも言う方がいますが『いじめられる側にも問題がある』というという言葉には全く賛同できません。そもそも『いじめ』と書いていますが、現実には立派な傷害事件であったり殺人が行われたケースすらあります。直接の殺人を行わなくとも、自殺に追い込んだとすれば刑法第202条に規定された『自殺関与及び同意殺人』であって、立派な犯罪である事を明確にすべきであり、いじめを行った側は刑法第202条によれば『6月以上7年以下の懲役又は禁錮』を受けるべき犯罪者である事を考えべきなのです。当然その上で考えれば、被害者であるいじめを受けた側にどれほどの責任を問うのでしょうか?


 確かに裁判などでは量刑に対して様々な事情により量刑よりも軽い刑が言い渡されることが多いのは確かですが、それでも『いじめられる側にも問題がある』としていじめた側≒被告人である自殺をさせた側の裁判で、被告人に量刑が極端に軽くなる弁護を弁護士がしたとすれば、自殺をさせられた子供の親側は相当反発するはずです。例え傷害事件であったとしても、他人を怪我させなければならない事情が怪我をした側にある事は通常それほど無いと思います。


 これが例えば元々いじめを行っていた側がいじめを受ける側になったとして、それが元々いじめを受けていた側にあるなら多少は考慮されるかもしれませんが、私が一般に聞く限りいじめを受けていた側がいじめをしていた側にいじめをするという事例を聞いたことがありません。あったとしてもごく僅かだと思います。なぜならいじめを受けていた側というのは、一般的に考えて周囲からいじめを止めてもらえなかったと考えるのが自然であり、その様な状況下で立場が逆転することはまず無いと思うからです。


 そもそも法律の『いじめ防止対策推進法』という名前が私は間違っていると考えます。私なら元の文章を出来るだけそのままにしようとするとして『未成年殺人・自殺・傷害防止対策推進法』とします。この方が何をしているのか明確に分かるからです。いじめという言葉を使うから実態が軽く見られるのではないでしょうか?これを『傷害』や『暴行』と言えば、その重大さがもっと分かるはずで、さらに『自殺関与及び同意殺人』と明記すれば、それがどれだけ重大なことであるか明確である事は明らかなはずです。


 私は『いじめ』という言葉など使わず『傷害、自殺関与及び同意殺人』である事をもっと明確にすべきだと考えます。

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