第33回 精神科のイメージ 受付編
結局精神科への入院になった訳ですが、精神科のイメージや、精神科に入院するという事のイメージは、どの様なものを一般に想像するでしょうか?
昔なら実際にあったかもしれませんが、少なくとも現在一般的な都市にある精神科の病院なら、建物が僻地にあると言った事は少ないようです。正確には宅地などが元々僻地にあった精神科であったとしても、その周辺に広がったという形が正解かもしれません。また比較的駅近にある場合もありますし、駅も小さな地方駅などではなく、いくつかの路線が乗り入れているような場所の近くである事もあります。
もちろん全ての精神科病院がそういった訳では無いと思いますが、それこそ映画などの中に出てくる僻地の森や林の中というのはだいぶ減っているところも多いと思います。
また比較的大きな都市にあり、大きな駅に近い場合はちょっとしたビルになっている場合もあります。当然見た目は綺麗ですし、一見して底が精神科とは思わないかも知れません。
ただ共通して言えると思えるのが、基本的に精神科単独の病院は、病院名に精神科を思わせる単語がない場合が多い気がします。○○総合病院や××内科、△△外科といった表記は一般的ではないかもしれません。
この辺は精神科のイメージがやはり関係していると思えます。実際に病院の入り口にさえ大きく精神科の看板がある事さえ少ないと思えます。もちろん看板はあるのですが、一般的な病院と比べるとやはり目立たないような位置であったり表記の仕方である事が、今までの経験では多いです。
そもそもこういった形になっているのは、昔から続く精神科のイメージが払拭できていない証拠だと思います。しかし現実的に考えて、近年うつ病などをはじめ様々な精神疾患がメディアでも取り上げられるようになり、必ずしも精神病は珍しい病気ではなくなりました。それでも一般的な表現は精神疾患という呼び方が多いと思うので、精神病という表現には大きな抵抗があるのだと思います。
ですが現実に行ってみると分かる事ではありますが、病院の中はとても明るく清潔である事が普通ですし、待合室では軽快な環境音楽が流れていたりする場合もあったりと、少なくとも暗いイメージは全くありません。
もちろん様々な患者の方がいらっしゃるので、中には初めて目にすると少し異常な雰囲気がある場合も当然あります。しかしその様な方はごく一部で、大半は静かに待っているのが普通ですし、少し異常と言っても頻繁に受付と椅子の間を往復して時間を確認した里ですとか、若干イライラしたような顔をしている人がいる場合や、逆に常にどこか笑った感じの人がいる程度で、待合室が五月蠅いという事はまず無いです。むしろ時間を頻繁に確認したりですとか、待っている間にイライラしている人というのは、普通の病院でも私はかなり見かけます。精神科特有というなら、何痛いして笑い顔をしているのか分からない人がいる程度で、それも実際に声を出して笑っている訳ではありません。むしろその様な人は最初から家族などと付き添われており、周囲に迷惑がかからないようにしているように見えるのが大半ですし、付添がいる場合は特におかしな行動という物も目立ちません。
個人的に様々な病院に行った事がある身としては、むしろ待合室などで大声で喋っている人(特に女性に多いと思います)や顔つきがイライラしている人(特に男性が多いです)が精神科などよりも目立つと思う事も多く、雰囲気の悪い状況では一般の病院の方が多いような気さえするくらいです。流石に実際に統計など取れませんし、人によって感じ方は異なるので断言は出来ませんが。
ですので普通の内科の病院などと比べると、場合によっては少しおかしなところが目に付く場合もあると思いますが、それは最初から『精神科の病院だから』という目で見てしまうといった理由もあると思うので、一概に待合室などでおかしな行動を取っている人がいるとは言えないと思います。
偏見を一切持つなというのは恐らく難しいでしょう。ですが実際にうつ病など現代に広まってきている病気などで受診されるときは、暗くて不気味なイメージや、受付などでも変な人が大勢いるといったイメージなどは持っても意味がないと思います。




