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第31回 うつ病との戦い

 精神障害といっても種類がありますが、私が罹患した精神障害はいわゆるうつ病です。


 ただうつ病と診断されても、正直最初の頃は『ああ、やっぱり』という感情と、この先の仕事よりも、今後の治療の方が心配でしたし、事実上仕事をまともに出来る状況でもありませんでした。


 もちろん収入の面で心配がなかったとは嘘になります。しかし精神的な状況としてはそれ以上の仕事から少しは離れられると思った程です。


 ですが現実はさほど甘くはありませんでした。


 最初の頃は通院で過ごすことになりましたが、根本的にうつ病などに用いる薬は、眠くなる作用がある事が少なくありません。当然出社しても眠気が強くなっているので、事前に説明しても理解はしてもらえませんでしたし、その中で今までと同じ量の仕事をしなければなりません。当然無理がたたります。


 そう言った形がしばらく続きましたが、薬を飲みながらの仕事は2年程度しか続きませんでした。その間に2回病院も変更し、最終的には入院となりました。


 むしろそうなるまで2年も我慢したと今では思います。無理を出来ない状態で無理を繰り返せば、破綻がさらに酷くなるのは当たり前です。


 会社は一応病気という事で休業補償を出してくれましたが、労働災害(労災)扱いではなかったため、当然自己都合扱いです。


 ですが今ならいわゆるブラック労働で労災が降りているケースがあるのですから、労働基準監督署に駆け込んで労災を認めさせればとも思いつつ、同時にその後会社を辞める際には労働基準監督署にまるで相手にされなかったこともあり、結局同じだったのだろうなと思います。


 なぜ労災扱いと自己都合扱いを書くかといえば、そこで給付される金額に差がある為です。当然誰だってよりよい金額を頂ける方が良いと思うのは当然だと思います。


 何より労災として認められた場合、最初から無料、後日返還など差がある場合はありますが、医療費についての心配を最小限に抑えることが出来ます。これが自己都合であれば関係なくなるので、大きな違いです。


 最近でこそ時間外労働月80時間や100時間といった限度をいう言葉が出ていますが、私の頃はその様な言葉などまるでありませんでした。ですので私が経験したような月の時間外労働が200時間に迫ったり、普段から時間外労働が140時間などを超えるのは今だから異常と思われるかもしれませんが、当時は疑問に思う人が少なかったのではと思います。まあ、真っ当な人であればおかしいと気が付くはずなのですが。


 これで病気となっても今のように大企業なら比較的簡単に労働基準監督署が動いてくれるかもしれませんが、前述したとおり中小企業では今でもきちんと動いてくれていない場合もあると思うと、結局時間外労働に関しても大企業優先で働く人の数が圧倒的に多い中小企業は無視されているか、あまり気にされていないとすら思います。よって今でも似たことが横行しているかもしれません。


 話が逸れましたが、労災と認められない異常医療費は自己負担です。1ヶ月入院するだけでも数十万円になります。税務署に申告すれば一応医療費はある程度も取ってくるにしても、労災での負担との差を考えればやはり納得が出来ないものです。


 結局私はうつ病で約3ヶ月入院を行い、会社に戻ろうとすると、席はありませんでした。

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