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今を生きる(当面更新停止予定)  作者: 古加海 孝文
第2章 社会人と会社、人と組織
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第29回 そもそも仕事とは

 ここまで私が経験した仕事で起きた事を元に様々な事を書きましたが、そもそも仕事とは何でしょうか?


 前にも書いたように、人によって異なると思いますが、一般的なサラリーマンにとっての仕事とは、生活をする為に金銭を得るための事であると考えます。


 もちろんその中で自己を高め社会に貢献したりなど、様々な事を目指す人も多いと思いますが、それはあくまでも生活出来る十分な収入があっての話であって、無償でやるという事は最初からお金持ちでもない限り無いと思いますし、お金持ちであっても何でも無償で行うという事はないはずです。


 自営業などならまた若干異なる場合もあるかと思いますが、かといって収入の見込みがない事をする自営業というのも普通は行わないでしょう。公務員にしても対価無く無償で公共の仕事をするという文化は、日本には一般に無いと思います。


 海外では議員などで収入が無い国があるそうですが、その場合は議員をしながら他の仕事をすることが認められているそうです。日本でも市町村議員などは議員以外の仕事をしてもよいと聞いたことがありますが、大々的に他の仕事をしながら市町村議員をしているという話は聞きません。単に話題になっていないだけなのかもしれませんが、その事を知らない方も多いと思います。実際にどの程度日本で議員を副業として行うか、本業として議員をしながら副業で他の仕事をしている人がいるのか、話題になることはほとんど無いのではないでしょうか。


 どの様な仕事にしても、結局は生活するために行っている事は変わりないと思います。そして今問題になっているのは仕事の内容ではないかと思えます。


 それをもっとも端的に表している言葉が、ブラック企業であり、ブラック労働ではないでしょうか。


 昔からきつい仕事はありました。いわゆる3Kと呼ばれ『キツい・汚い・危険』の3拍子で、特に建設業界で例えられていたはずです。しかし最近では色々な形の物が出てきて、しかも3Kよりも増えている場合もあります。新3Kという言葉もあり、特にIT業界などでは例えば『キツい・帰れない・給料が安い』の他に『きびしい・心を病む・体を壊す・結婚できない』などを足したいくつかのバリエーションもあるというのですから、心身を壊したり適切な給与が出ていないのは、もはや人間扱いされていないと思われても仕方がないのではないでしょうか?


 しかしながらそれに対して有効な対策が行われているかと問われれば、私は行われていないと考えます。


 またIT業界以外でも『キツい・給料が安い』というのは広がっているように思えますし、当然給与が安いのですから、結婚なども難しくなって当然ではないでしょうか。


 なのに残念ながら国が具体的な対策を行えていると思えませんし、民間企業も自浄作用が働いているとは思えません。そしてその結果が晩婚化どころか結婚をしないと言ったことにもつながっていると思えますし、結婚をしても子育てをする為の十分なお金が捻出できる可能性が低いため、少子化の拍車になっているとすら思えます。


 仕事をすることで十分な幸せを感じる事が出来る環境が生まれなければ、当然最低限の支出に抑えてしまうのは当たり前ではないでしょうか。その中には贅沢品と言えるような物を買わないというのはもちろんですが、多少不便でも他に代用できるならそれで済ませてしまうという事に繋がると思いますし、それが車の購入をやめてカーシェアリングといった事で済ませたり、そもそも交通の便が良ければ自動車免許すら取らないという事に繋がるはずです。


 最近ではスマートフォンを持つ事が一般的になってきましたが、維持費を考えると固定電話より確実に高額です。しかし一度使い始めると固定電話の生活に戻ることは難しいと思います。当然スマートフォンの維持費を優先するでしょうし、そうなると他の支出を抑えるのも当たり前になります。


 こういった流れの中にあっても正社員でも給与がなかなか増えなかったり、正社員となれなかった場合は余計な支出をさらに抑えるはずです。しかしメディアで聞くのは『最近の若者は○○離れ』といった事までいわれます。離れている原因を考えずにこのような指摘をしても本末転倒と言えるでしょう。


 仕事をするなら当然それに見合った報酬を求めることは当然だと思いますし、それが満足できなければどこかで調整するのも当然です。そこを改善せずに『若者の○○離れ』といった論調や、しっかりとした対策を行わない事こそが問題であると考えます。

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