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今を生きる(当面更新停止予定)  作者: 古加海 孝文
第2章 社会人と会社、人と組織
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第19回 時間だけが過ぎる治療期間

 最初の就職先で肝臓をやられた結果、しばらくの間は専門医へ通院することとなりました。


 今考えてみればこれは職務上の怪我と同じ事で、当然労災にあたり、療養補償給付が受けられたと思うのですが、当時はその様な事も知らなく(そもそも労災≒見た目で分かるような怪我と考えていたこともありました)、しかも仕事上の病気となればその退職理由は自己都合とはならないと思うのですが、知識が無いとは本当に恐ろしいことです。


 それはそれとして医師からも厳重に注意というか、事実上の警告のような物を受け、会社を辞めた後はしばらく療養生活となりました。実際に医師が再度働くことを許可するまでに、おおよそ6ヶ月が経過してしまいます。


 以前にも書いたように、私の世代はいわゆる就職氷河期世代であり、しかも新卒と異なり中途採用は相変わらず再就職が難しい時期でした。その様な中で6ヶ月のブランクは、いくら身体のためとはいえ不安になります。まあ、今であってもその様な状況に置かれれば、多くの方が再就職に不安を覚えるとは思いますが。


 治療期間とはいえ実際に入院するならともかく、自宅での投薬療法となると正直治療の実感はあまりありません。しかも自分なりには多少疲れやすいという思いはあったとしても、それ以外は特に症状がない以上、治療をしているという感覚にはほど遠いのが現実です。


 そして一番の問題は治療をしている間の収入となります。本来であれば会社で起きた傷病だと思うのですが、物理的な怪我はともかくとして、内臓的な疾患は会社側の判断などによって決まってくると想像出来ますし、ものによって認められにくいと思います。


 特に私のように内蔵機能が悪化しても、見た目ではさほど影響がないように思える場合は余計ではないでしょうか? そして自己都合で会社を辞めている形である以上、今の状態は知りませんが当時は失業保険を受給するまでの空白期間が出来たので、医療費を払いながらその間の生活資金を考えなければなりませんでした。本来であれば会社側から休業期間としての補償または会社都合という形での離職であれば収入の点についてはある程度何とかなるとは思いますが、世の中そんなに甘くはないですね。


 それでも医者から社会復帰の許可が下りるまでの6ヶ月間は、色々と考えさせられたものです。


 ただ今でも思うのが、その時に雇用についてもっと知っておけば良かったという事でしょうか。まあ普通はそこまで雇用条件について詳しく調べようとする人もあまりいないとは思いますが。

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