第15回 最初から躓いた就職活動
不運にも私が高校を卒業して専門学校を卒業した頃、世の中は不景気に突入していた状態でした。今で言う就職氷河期ですが、ちょうど私が専門学校を卒業した頃は専門学校に行く前に浪人を経験したり一般とは少し異なる2先制ではない専門学校であったことも災いして、バブル崩壊の煽りを受け就職氷河期の中でも極めて就職が厳しい時期でした。まあ、2年制の専門学校や、4年制の大学などに行っていたとしても、時期的には大きく変わらなかった可能性も十分にありますが。
それに専門学校になったのも大学受験の失敗が原因ですし、高校からさらに上の教育を受けられる教育期間にいけたという意味では、まだ良かったのかもしれません。もちろんその後にいじめがなければの話ではありますが、小中高とは異なりながらも、残念ながらいじめがあったのもまた事実です。
表記すると現在の私の年齢がおおよそ分かってしまいますが、当時の大学卒の有効求人倍率が1.25、全体の有効求人倍率が0.48と、大卒であればまだ有効求人倍率が翌年の0.99よりは良かったものの、一般的には半分の人がその年に就職しづらいという事になります。この年の前年と翌年も全体の求人倍率は0.5台で、0.48の数値が1以上に回復するまでに何年も(2006年に1.06へ回復)かかったことを考えれば、1993年から1倍を割った年数を合計すると13年という年月がかかっており、その後2008年に再度有効求人倍率が1を割り込み、回復するまでに2014年まで待つ必要があった事を考えれば、初期の頃『失われた10年』と言われていますが、現実には有効求人倍率換算で20年ですし、今も尚その影響は続いていると思えます。
さて肝心の私ですが、正直かなりある分野の専門に特化した専門学校の授業内容な事もあったためか、私を含め同期のほとんどが就職先がなかなか決まらずに就職活動をしていました。
実際に私も色々な会社の就職面接を受けるために求人票などを捜しましたが、学校の中では結局就職先が決まらず、偶然その時期に行っていたアルバイト先に就職できたくらいで、かなりの方が就職先すら決まらずに卒業になっていました。
私個人も連絡を取った企業は全部で三桁に及びましたし、しかもその中で履歴書を送ることが出来るだけでも良い方、最悪は連絡しても『今年は採用予定はない』といった返事が来る始末でした。履歴書を送ってもそのまま連絡が来ない企業が多く、そもそも履歴書を送って面接にこぎつけたのは二桁にも達しませんでした。
学校の就職案内ではどうしようもない状態で、実際にハローワークの窓口にて新卒採用を探すという、正直今では信じられないようなことまでしていたくらいです。今思えば、新卒採用の希望をハローワークで探さなければならないというのもかなり異常だと思います。
そもそも待遇の話をする以前に、企業側が新卒採用を見送っているのが現状な当時でしたので、有名大学などならまだしも、そうでない場合は極めて厳しい時代であったと思えます。
そういった事情もあり、最初に就職した先の本質をきちんと判断できなかったことは、今思えば悔しい限りです。




