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マネタリー・ルインズ  作者: 椎野 不二夫
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monetary ruins

これは近い未来を想定した架空のストーリーである。

 私の家の近くに以前から気になっている建物がある。江戸川区でも2035年頃?に出来た新房総線という単線モノレールなので知らない人も多いと思うが「新葛西」という駅の近くだ。


 駅周辺はほとんどが住宅街なのだが駅から歩いて20分程度のところにその建物はある。ただ建物とは言っても今や廃墟となっており随分前から放置されているように見える。その裏には昔ながらの飲食店というか飲み屋街があるのだがだいぶ荒んでいるのだ。この両方に興味を持った。


 私?まだ自己紹介もしていなかった。大林健太と言います。32。しがない物書きで市役所とかからの仕事を下請けの下請けでやってたりしている。大した金にはならないがまぁなんとか生活は出来ている。独り者だしそれほど趣味もないからね。


 ちょうど仕事の区切りが付いたので建物を見に行くことにした。近くまでいくと結構広い敷地と気付く。周囲はよくある背の低いコンクリの壁に囲われていて正面玄関にたどり着くのに結構歩く必要がある。実際歩きながらオレなんでこんなことしてるんだろ?と思ったぐらい。ようやく正面玄関にたどり着くと入り口のゲートは閉まっているが前庭は見える状態。石の看板には「マネーマネタリー研究所 内閣府金融調査室」とあった。文系な私には正直余り面白そうとは思えない。


 中を覗くと前庭だと思っていた場所は実は建物が瓦解した後だと判った。瓦解した後のそばになぜか自衛隊のような色の大型トラックが乗り上げた状態になっているのが謎だ。その奥には別の大きな白いビルがあり恐らく200から300人は働けそうなぐらい。だが人の気配は全く無かった。一体なにを研究していたのだろうか。


 ずっと覗いていたからだろう。中から若い警備員が出てきて用件を尋ねられた。突然だったので慌てて怪しいものではない、ロマンを感じただけだと言ったところ逆に怪しまれたのかトランシーバで増援を呼ばれる状況に。その後ベテランっぽい警備員が1名登場した。


「おたく、こんなところで何してるの?」

「いや、近所に住んでるんですがなんの建物か気になったもので」

するとそのベテラン警備員は突然微笑みだした。

「そうか。あんた若いから知らんのか。以前ここで何があったのか。」

「えっ?何があったんです?」

警備員達はその問いかけには答えず中に戻っていった。


 一体何を研究してたのか? なぜ建物は瓦解したのか? なぜそのまま残っているのか? 家に戻ってからこれらの疑問がずっと頭に残り続けることになった。これは調べるしか無い。

※この小説はフィクションです。実在の人物や組織とは一切関係ありません。

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