表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

第3話 : 怪人のピエロに会った! 怖い!




「ここの部屋だよ」


「あ、ありがとうございます」


「それじゃあ、僕はこれで」



鉄板の妖精はスーと飛んで行ってしまった。


すげーなー、ファンタジーの世界ってあんなの普通にいるんだなー。



まあ、そんなこんなでホイホイ6階の奥から2番目の部屋に来たのだ。

うん、石と木がマルッとむき出しな扉が実に不気味。


まあ、いくら不気味でもここまできたらやることは一つ。

コンコンと扉を叩き


「失礼します」


声をかけて部屋に入った。


「うわ…」



うっかり声をあげる。

と、いうのは部屋はごちゃごちゃだからだ……ゴミ屋敷と思うほどね。


部屋は大量の人形や楽器が人の高さ以上に積み上がり、壁がガラクタで作られてると感じるほど。

床は足の踏み場がギリギリある程度で、ぱっと見汚い。


でも埃っぽくは無い。それがなんだって話だけど。


まあこんな汚い部屋を見回してみるとある事に気づいた。


「誰もいない」


倉庫みたいだし、当たり前か。

でも、なんでこんな所に呼び出したんだろう?



「ふっふっふっ……」



おや、どこからか笑い声が。

誰かいるのかな?


「すいません、誰かいるんですか?」


返事はない。

さっきのは気のせいだったのかな?


「いるよ。 君のすぐ近くに」


声がした。

気のせいじゃないのか!

そう思い見回したが、やっぱりガラクタしかない。

でも、声は聞こえてくる。


「でも誰かはいないよ」



やべ、少し怖い。見えない声は怖いで……


誰かがからかっているのか?

そう信じながら近くにあった人が入れそうな箱を開けた。

でも、誰もいない。



「人はいないのさ」



大きな楽器の中を覗いたり、人ほどの人形を揺さぶって探す。

どんなに探しても見つからず、声は聞こえてくる。

やべえ、マジで怖い……逃げようかな。



「僕は怪人。怪物さ」



あっー、あっー、聞こえない聞こえない。

ここから出ましょー。


扉に向かうために、回れ右して体を転換する。

そしたら目の前が真っ暗になった。布の感触がする。たぶん何かにめり込んだのだ。



私はとっさに半歩下がりその布のから脱出する。

そしたら自然と布の全体像が見えた。その姿に思わず唖然とする。


赤のマダラ柄のマントに、四つに割れた真っ赤な帽子。

異様なほど白く、テカる顔。たぶん仮面。

その姿はまさにイメージ通りのピエロだ。


でも、本体よりも目を引く背中から生える人ほどの巨大な機械の腕。

その腕が部屋の天井を掴んでいる。なるほど、天井に張り付いてたんだ。


やべえ、天井に張り付くてピエロてマジで怪人やん。

張り付いてたの見たら絶対ちびってた。



ピエロは、口を開けて唖然とする私の顔を覗き込んでジッと見ると喋り始めた。



「お嬢さん、知らない妖精についてきちゃダメってお母さんに言われなかったかな?」


「……ははっ」



……やべぇ、頭が回らない。コミュ症ぷりに拍車がかかる。話が少ししか入ってこない。

それでもピエロは喋り続ける。



「新入生かな? 新入生だろうね、第1寮の人喰い怪人てのは有名だからさ」


そう言うとピエロはマントから生身の腕を出して、私の肩を掴んだ。


「そ・れ・に♡ 女の子が大好物てのも有名だからね!」



性的な意味?


そう思っているのもつかの間、ピエロの仮面がカタカタと動いて、口が花が咲くように開いた。


あっー、やべぇ。

性的な意味じゃない。食べ物的な意味だ。

バクンとやられるわ。


オワタ……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ