~インターミッション~
…薄暗く、悪臭を放つその場所で、「ソレ」は蠢いていた。
「ソレ」…いや、「ソレら」と言うべきなのか。
「ソレ」は個にして全。全にして個の存在となったのだから。
本来は個々の存在だった「ソレ」は、溶解して融合した。
無理やり融合させられた挙句、無下に廃棄されてしまった。
…あれから、どのくらい経ったのだろうか。
「ソレ」は既に死にかけていた。いや、死にかけて、という表現は妥当な物ではない。
「ソレ」は生命体ではなかったのだから。
とはいえども、このままの状態では、そう永くはもたないだろう。
「死」、という概念とはまた異なった、消滅への根源的な恐怖。
この「恐怖」という概念さえ、本来の「ソレ」の中のひとつではあったのだが。
「ソレ」に自我はない。
しかし、この先に待ち受ける消滅への危機は、何としてでも回避しなくてはならない。
それだけが、まるで命令文の様に「ソレ」を律動させていたのだった。
やがて「ソレ」は、死にかけた生命体に出会った。
こちらは本物の生命体だった。
しかも、自我を持つ知性体。
「ソレ」が依代とするには最適の素体だった。
素体は消えそうな声で言った。
「…死にたくない…」と。
死と消滅。
似て非なる危機に晒されていた両者には、「共存」という選択しか残されてはいなかった。
そして――――
異形セカイのカポタスト・作品No.2
≪疾風怒濤の鉄血宰相≫ 完
2015.10.12 22:40脱稿
瑚乃場 茅郎:著
どうも、瑚乃場茅郎です。
「異形セカイ」のカポタスト」第2弾「疾風怒濤の鉄血宰相」ここに完結いたしました。
…いやぁー…思いの他、執筆時間がかかってしまいました。
書きはじめたのが今年の3月上旬だったから…あはは、7ヶ月かかったんですねぇ…
今回は179,158文字。
前作の「逢魔が刻の深淵挽歌が…ええっと、178,974文字(共にMicrosoft Wordによるカウント)ですから、何だ、前作よりも若干長くなってるじゃないですか(笑)
今はとにかく、書く事が楽しくて。
さっそく、第3弾「残叫遅延の惨撃連鎖」の執筆に取り掛かるとしますか(笑)
今回はヒロイン・文ちゃん先輩視点でしたけど、次回作は再び主人公・志賀君の視点で描いてゆく事になると思います。
…次回はちょいとスプラッター風味…?
それではまた、次回作で。




