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9 悠久堂にて。 1

昨夜はとうとう一睡もできなかった。

…気がつけば翌日の朝である。

予期せぬ不眠の原因なんてはっきりしている。

…期の放課後、鮎子おねえちゃんからいただいた、それはそれは有難いアドバイスについて、あれこれと考えていたからだ。

おねえちゃんいわく、私が抱えている問題は、すべて私自身のコンプレックスに根ざしているのだとか。

私の劣等感…か。

背が小さい、胸まったいら。その上に乗っかっている、これまたコンパクト・サイズの(おもて)には、サイズの合わない大きな野暮ったい眼鏡。

目つきだって、決して柔和な物ではない…と思う。

言われるまでもなく、私は劣等感の塊だ。

だからこそ、己の抱えている劣等感には、常に正面から向き合おうと思ってきた。

負けず嫌いな性格が、この時ばかりは役に立ってくれたと思う。

唯一自慢できそうな物…と言えば、背中まで伸びた黒髪くらいか。

これといって手入れらしき事はしていないのだが、そのわりにはくすみもせず、艶々としてくれている。

これはどうやら、御初様以来、代々の「鬼橋 文」の伝統らしい。

まあ何だ、この面白味のない鬼橋 文としては、自らの容姿にまつわる話はと言えば、これくらいしかないのである。

そんな私が、あの志賀君を、果たして籠絡できるのだろうか?

いやいや。そんな事よりも。

『志賀くんに抱かれちゃいなさい』――とはいかなる行為を指すのだろうか?

「すてでぃ」な関係になって以来、私は何度か彼に抱きしめられた事があるし、最近ではこの私からも、周囲を憚ってこっそりとではあるが…彼に抱きつく事だってある。

しかし鮎子おねえちゃんの言うのは、どうやらそういう事ではないらしい。

もしかしたら、それは…あの…何というか…その…はだか…で…?

裸で…共に(しとね)を重ねるという…物語などによくある、あの行為の事なのだろうか?

かぁぁぁぁぁぁぁ…。

具体的に何をするのかはよく知らないが、何故か無性に気恥ずかしさだけは感じてしまう。

第一、それは婚姻を交わした夫婦のための行為ではないのか?

そもそも、だ。

「そういった行為」は、私…私たち「鬼橋 文」にとって、あまり意味を持ち得ない。

志賀君と親しくなるまでの私が、あまり気にしてもいなかった事ではあるが、何故だろう、最近はこの事を思い出すたびに、不思議と胸が痛む。切ない気持ちにもなる。

寝不足で充血しきった目が、さらにじんわりと熱を持ってきて、熱い物がこみ上げてくる。

それを指先で拭うと、私はベッドからはい出した。

休日の朝という事もあり、私は寝巻のままで洗面所に向かった。

このもやもやした面持ちなどは、さっさと洗い流してしまいたかった。

鏡を見る。

…髪は乱れてくしゃくしゃ。目の下には大きな隈。

まさにおとぎ話にでも出てくる様な、悪辣な魔女みたいな女が映っていた。

「…はは。こんな顔、志賀君には見せられないな…」

鏡に映る魔女に向かってあっかんべー。

魔女も私に向かってあっかんべーを返してきた。

「…む、生意気だな、こいつ」

今度はいーっと歯を剥いてみる。

魔女も同じ顔で返してきた。

「…おい鬼橋 文。お前はいったい、どうしたいのだ?」

鏡に手をついて、私は魔女に問うてみた。

私と同じ顔をした鏡の中の魔女は、私をじっと見つめているだけだった。

少し冷静になってくると、自分のやっている事が、何だか無性に恥ずかしくなった。

熱いお湯で、もう一度顔を洗う。

てのひらにお湯をすくい、顔をつけて瞬きをすると、とても気持ち良かった。

目の奥に溜まっていた熱が、一気に放出されて行く様な爽快感。

吸熱反応。化学平衡状態の移動。…ルシャトリエの法則か?

つまらない連想が、無性に可笑しくなってしまう。

「ぷっ…あっははははは」

思わず吹き出してしまった。

あ、鏡の魔女も笑っている。そうか、そんなに愉快なのか。

ならば、今は共に笑おうではないか。

「…ねー文ちゃん」

…ぴくん。

急に名を呼ばれて振り向くと、何だか複雑な顔をしたママがこちらを見ていた。

「あ…ママ、おはようございます」

「おはよう文ちゃん。…百面相、そんなに楽しかった?」

「あ、いえこれは…」

「…結局、昨夜もお夕飯食べなかったし…ママ、心配だわ。…何かあったの?」

「えっと…その…ああ、そうだ、あの目覚ましの事が気になって…」

咄嗟に思いついたいいわけではあるが、これだって、あながち嘘ではない。

「『ああ、そうだ』ってのが気になるけど…それはもういいのよ?」

「そうもゆきません。でも、もう少し待っててください。何とかしますから」

「…私は、朝から鏡相手に百面相してる文ちゃんの方が気になるんだけど」

「こっ、これは朝の顔の体操なのですっ!」

ママはふぅん、と頷いた。

…明らかに信用して…ませんよね?

 朝食を済ませ、部屋に戻って身支度を整える。

今日も寒いので、クローゼットからお気に入りの白いコートも引っ張り出す。

部屋を出ると、廊下でママと鉢合わせした。

「あら?お出かけ?志賀君とデート?」

「あ…ええ、まあ。ちょっと街中へ行ってきます。夕方前には戻ります」

「はい、いってらっしゃい。彼に、今度またウチに遊びに来る様に伝えてね」

「あ…はい。行ってきます」

私は気のない返事をして、家を出た。

今度、また…か。

その「今度」が…また訪れる日が来るのだろうか。

目覚まし時計の事もそうだが、問題が山積みである。

せめてもの救いは、このふたつの悩みには、どちらも「解決策」が提示されているという事だった。

目覚まし時計は、悠久堂で同型の物を入手して、ママにプレゼントしよう。

今日は、そのための外出なのだ。

志賀君の方は…少しばかりハードルが高い。

彼に抱かれる…という以前に、遠ざかってしまった彼との距離を、どうやって縮めればよいというのだろうか?

「抱かれる」、とは接近戦にならなければ、話にもならない。

得意の魔法で遠距離攻撃…とはゆかないのだ。

…ああもう!彼とまた親密になる方法よりも、呪文を唱えて攻撃魔法を放つ方が、よほど簡単な技術ではないか。

遠距離においては銃撃戦。

こうやって次第に距離を縮めて行き、相手が怯んだその隙を狙って、一気呵成に疾風怒濤の騎馬部隊を進撃させて蹂躙。足軽たちの投入はその後だ。

…む?何故だろう。いつの間にか、甲斐武田軍の兵法もどきの話になっている。

「恋は決闘。右を見たり、左を見たりしていたら敗北」とは誰の言葉だったか。

いやいや。私は何も彼と勝敗をつけたいわけではない。

それを言うなら、彼の前から逃げ出した時点で、私の敗北は決定した様な物だ。

家から少し歩くとバス停に出る。

私の住む群馬という土地は、絶望的なくらいに公共の交通手段が欠落している。

それは、ここ高崎市でも例外ではない。

明治初年の廃藩置県で、一時は県庁所在地となったほどの街であっても、だ。

鉄道などという物は限られた区間にしかなく、県道を走るバスでさえ、平日でも1時間に2・3本程度…というこの事実を、他県にお住いの方々に信じてもらえるだろうか?

おまけに、市外に一歩でも出れば、運賃の料金体系がガラリと変わって割高になる。

ましてや、「タクシー」などという手段においては、もはやブルジョワジーの世界の話でしかない。

畢竟(ひっきょう)、上州群馬の住民たちは自家用車や自転車といった自前の交通手段にすがるしかない。オートバイは、先だっての死亡事故多発により、私たち高校生には禁止されている。

志賀君や、彼と同じ美術部員の塚村さん、志賀君の悪友だという…ええっと…森竹君…だったかな?…市外在住の生徒たちは、ほとんどが自転車で通学している。

私だって、自宅から学校までの5キロは、自転車で通うのが理想的なのだが。

私は自転車には乗らない。

理由はいたって単純明快。

…一般的な自転車では、この私の身長では足が届かないのだ。

それは、あまりにも惨めな現実である。

そんな事情もあって、私は毎日5キロの距離を、徒歩で登下校しているのだ。

おかげで病気ひとつせず、いたって健康。

「鬼橋 文」としての身体能力は常人よりも優れてはいるが、それに甘んじてはいけない。日々の鍛練を怠っては、いざという時に思った通りの行動ができないのだ。

残念なのは、この鍛錬も、一向に身長への影響が出てくれない事だった。

一時期は、歩幅を広げて歩く様にすれば、自然に足も長くなって身長も伸びてくれると期待したものだが。

キリンだって、高い所にある木の葉を食べようと首を伸ばしているうちに、ああいった姿に進化しのだとも言うし。

…しかし、どうやらウォーキングに、身長を伸ばす効果は期待できないらしい。

その代り、足は丈夫になった。それだけだが。

バス停で待つ事しばし。市内を巡回する路線バスがやってきた。

目指すは高崎悠久堂。

およそ15分の後。私は田町の停留所でバスを降りた。

一応、私の家も高崎市内にあるのだが、あの辺りは郊外に位置していて、やはり繁華街のあるこの付近とはまるで様相が違う。

高崎という街は、江戸期には高崎藩の城下町として栄えた歴史がある。

そのせいか鞘町・弓町・鍛冶町・紺屋町・寄合町などといった地名も数多く残っている。

その中心となる高崎城があった場所は、今では音楽センターになっているが、かつては徳川第3代将軍家光の弟・駿河大納言忠長が謀反の疑いを受けて、この城で自刃したという血生臭い歴史もある場所だ。

鮎子おねえちゃんのお店、高崎悠久堂は、「東国文化歴史街道」と呼ばれるこの街のメインストリートから高崎城のお堀端方面に向かって、少しばかり歩いた所にある。

角を曲がる時に、ソースの焦げる香ばしい匂いが私の鼻孔をくすぐった。ここには老舗のたこ焼き屋がある。開店にはまだ間があるが、その準備は順調の様だ。昼食はここにしようかな。

中央銀座通り、通称アーケード街を横目に見ながら交差点を直進すると、やがて墨痕鮮やかな「高崎悠久堂」の古めかしい立て看板が視界に入ってくる。

子供の頃から、もう数えきれないくらい訪れた骨董品店だ。

骨董品とは言っても、何も値打ち物ばかりが並んでいるわけではない。

もちろん高級な美術品の類だってあるのだが、おねえちゃんの方針で、どこから仕入れてくるのか分からないが、もっと庶民的な物品だって置いてあったりもする。

もちろん、そういった品々の買取りも受け付けているせいなのか、ここを訪れる常連客の中には、この店を本気で「質屋」だと思っている方々も多いと聞く。

おねえちゃんに言わせれば、「むしろ、どこにでもある様な日常の品々にこそ、本当の『生きた歴史』が込められているの」だそうだ。

…私にはガラクタにしか思えない物も含めた、まさに「金石混在」。この方針は、以前このお店が「帝都」時代の東京・上野にあった頃から変わらないらしい。

これは、その時代の常連客の一人だった東京帝国大学・地震学研究所の所長だった寺田寅彦氏から、彼が関東大震災の直前、その頃すでに時代遅れの長物だった石油ランプを探して東京市内を巡った話を直接聞いたのがきっかけだったそうだ。

そんな話は、私にとってはどうでもいい内容だったのだが、鮎子おねえちゃんが、さも懐かしそうに何度も聞かせてくるものだから、すっかり覚えてしまったのだった。

私は常々、年配の方々には「人生の先輩」としての敬意を抱く様に心がけてはいるが、あの方々のお話は基本的に長いうえに、内容が何度もリピートする事には、いささか辟易してしまうのも否定はできない。

…あまり大きな口では言えないが、若く見えるおねえちゃんも、こういう所は生きてきた年齢に見合っていると思う。

…何せ、彼女は日露戦争の頃の生まれなのだから。

現在の彼女の戸籍は、半世紀以上もサバ読んでいるのだ。

こんな事は、さすがに本人…ご本尊(?)の前では口に出せない。

いくら不老不死の「カミサマ」とはいえ、目上の女性に失礼があってはならないのだ。

「ごめんくださーい」

「はーい…って、なぁんだ。鬼橋さんトコの文ちゃんだったの」

お店のカウンター越しには、現在の店主である亜弓さんがいた。

亜弓さん…源田(よしだ)亜弓さんは、鮎子おねえちゃんがどこからか連れてきた女性だ。

年齢は20代後半らしいのだが、よくは知らない。

背が高く、出るべき所は出ているのに、引っ込むべき所は見事にくびれているという、モデルでも食べてゆけそうな美人である。

そのくせ、夏はタンクトップ、冬でもその上にスタジャンという、実に勇ましい着こなししかしていない。

どことなく、警察官か軍人っぽい雰囲気があるのは気のせいだろうか。

休日は美しい髪を無造作にポニーテールにして、ハーレー=ダビッドソンを乗り回したりしているせいかもしれない。

気さくで話しやすいのに、ビジネスではなかなかにシビアな面もあって、ただでさえ経営の不安定な悠久堂には、とてもありがたい人材だ。

「ひさしぶりねえ。鮎子さんは元気?」

「あいかわらず壮健です。壮健過ぎて、いつも振り回されてますけれど」

「あっははー。それは上々」

亜弓さんは屈託なく笑った。

ある日、鮎子おねえちゃんが突然連れてきた女性だ。お互いは旧知の仲だとは言うものの、亜弓さんが、どこまで鮎子おねえちゃんの秘密を知っているのかは分からない。

おねえちゃんの正体を知っているのか、そうでないのか。

普段の亜弓さんの口調からは、どちらとも取れてしまう。

それを、鮎子おねえちゃんに直接聞いてみた事もあるのだが。

おねえちゃんは「…さぁて?どっちかなぁ。実はわたしも分からないんだ」と笑っているだけだった。…本当だろうか?

源田亜弓さんとは、そんな謎の多い女性だった。

「で、今日は何か探し物?」

社交辞令的な挨拶の後は、いきなり本題に入ってくる亜弓さん。彼女のこういう所には好感を持てる。

確認したことはないが、彼女の認識では、私はどうやら「鮎子おねえちゃんの親戚」か何かだと思われているらしい。…まぁ、一族を挙げての「お付き合い」の間柄ではあるし、あながち的外れでもないとは思う。

自分が勤務しているお店のオーナーの身内だからと言って、安易な追従や余計な気遣いなどせず、極めて自然体で接してくれるという所に、彼女の人柄がよく出ていると思うのだ。

特にこういった業種の場合、彼女の様な性格の方が、顧客の信頼を得るものだ。

逆に、必要以上に下出な態度だったり、不必要に物品を褒めまくる様な骨董品屋は、あまり信用できはしない。そういった類の業者は、骨董の「価値」の基準を、時と場合と相手によって、恣意的に乱高下させたりもするからだ。

物を見たら、いかに安く買えるか?あるいはいかに高く売れるか?といった事だけしか考えていない骨董品屋。ある意味では、それは「商売人」としては正しい姿勢なのかもしれないが、鮎子おねえちゃんはそんな同業者を嫌っている。

そんなおねえちゃんが、自分のお店を託したのが亜弓さんだった。

おねえちゃんが見込んだというだけでも、彼女は信用するに足る人物と言えよう。

私は、先日の過ちを、包み隠さず打ち明けた。

亜弓さんはふむふむと頷くと、「…ちょっと待っててね?」と、お店の奥に引っ込んだ。

「うーん…たしか、文ちゃんの言ってるのとおんなじ奴があったと思う。倉庫の方にあるかもしれないから、探してみるね。時間が掛るかもしれないから、お茶でも飲んでて?」

奥から聞こえている声に交じって、何やらごそごそと音がしている。言葉通り、もう倉庫の中を探しはじめているのだろう。

彼女は「即、行動!」がモットーの人なのだ。

私自身も似た様な性格なので、彼女には親近感がある。

…容姿とスタイルには雲泥の差があるけれど。

さて…と。

店内には、私以外にお客の姿は見当たらなかった。

元々、あまり客足のない悠久堂だ。ましてや休日とはいえ、午前中から気合を入れて骨董品を買いにくる様な酔狂な客など、この私くらいの物だろう。

お店の中に一人きりになってしまった私は、亜弓さんの淹れてくれたお茶を戴いた。

飲み干してしまうと、もう手持無沙汰。

店内を見渡せば、子供の頃から慣れ親しんだ光景。

お世辞にも広いとは言えない店内に、所狭しと置かれた大小様々な品々。

あ、あの布袋様の像、まだ売れ残ってる。あれは私が子供の頃から同じ場所に置いてあるはずだ。懐かしいな。

…む?あそこの年代物の蓄音器は、前に来た時は無かったな。好事家のコレクションだったのだろうか。

ほう…?この水晶球、魔力を込めれば何かに使えそうだな。幾らだろうか…?むむ、そんなに高いのか。高校生の財布には少々厳しいか。残念。

蒐集家という程のこだわりのない私でも、こういった品々に囲まれているのは、何だか楽しくなる物だ。

ふと、チリンチリンと、誰かがお店にやってきた事を知らせるチャイムが聞こえた。

その来訪者は、私がいるカウンターの反対側の入口から入店してきた様だった。

そちら側はいくつかの区画に仕切られていて、こちらからはよく見えない。あちらには、比較的大きな品々が陳列されているはずだ。

私以外に、こんな時間から悠久堂にやってくる、変わり者さんの顔も見てみたかった。

…ちょっと、そちらも見てみようかな?

ちょっとした連帯感…というか親近感の様な物だ。他意はない。

その変わり者さんは、どうやら奥の楽器コーナーにいるらしかった。

私は子供の頃から、このお店で過ごす事も多かった。おかげで店内の様子も熟知している。その気になれば、店員の真似事くらいはできるし、実際におねえちゃんのお手伝いをした事もある。あの変わり者さんの応対くらいはできると思った。

…親近感のよしみだ。探し物のお手伝いでもしてあげようかな。

変わり者さんのつぶやきが聞こえる。どうやら、何かお目当ての物があるらしい。

『うーん…これはちょっと違うかなぁ…』

…む?この声は…?

聞き覚えのある声。まさか…いやそんなはずは…

「あの…何かお探しでしょうか?」

私は極めて営業用の笑顔で、その変わり者さんに声を掛けた…あ。

「え?…ああ、ちょっとギターを見たくて…って、うわっ!?」

その、大柄な変わり者さんが振り向いた。

「…しっ、志賀君…!?」

「あっ、文ちゃん先輩…!?」

『何でこんな所に!?』

それはそれは、見事なハーモニーだった。

まさに、彼が敬愛するサイモン&ガーファンクルのデュエットのごとく。

…予期せぬ接近遭遇。

私は、目下ケンカ中の彼氏さんとエンカウントしてしまったのだった。

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