第一話
見てくれてありがとうございます。
ぐったりとしたアリサをお姫様抱っこで食卓に運んだ。
(ふぅ、少しやり過ぎたな。)
アリサは俺が抱えれる程軽く、出る所は出て、絞まる所は絞まっている魅力的な体をしている。そのせいで、昔からメイド『達』の着せ替え人形にさせられていたアリサは、複数の人に着替えさせられるのを極端に嫌うのだ。
(面白いから、止めないけど。)
もうすぐで食卓につく。
≧食卓≦
俺がアリサをお姫様抱っこで入って来たのを見て、アリサの父、グラド・フロム・リクシャデス、通称『旦那様』が苦笑した。
「アリサはまたノエルに抱き付いたのかい?アリサの悲鳴が屋敷中に響いていたよ。」
――まぁ、そのおかげで早く起きる事が出来たんだけどね。旦那様はそう言うと食事を再開した。
「あらまあ、ノエルちゃん。アリサをじっくりいたぶ…いえ、アリサと楽しんだのかしら?もう、私も読んでくれれば、皆で楽しめたのに。」
何だか恐ろしい事を言う女性が、アリサの母、サラ・フロム・リクシャデス、通称『奥様』である。
「奥様も旦那様も…、私はアリサお嬢様を『きっちりと』目が覚めるような処置を行ったに過ぎません。」
「あらそのわりには、アリサ、寝てるようだけど?」
奥様は俺が抱えているアリサを指差しながら言った。
「いえいえ違います。アリサお嬢様は今、明日の学園の事を考えているのです。…どうかそっとしておいてあげてください。」
「あら成る程、でも今は食事をとるべきよ?学園の事は食後に考えるべきよ。」
俺はアリサを椅子に座らせるとアリサに話しかけた。
「そうですね。…アリサお嬢様、もう食事ですよ。」
「……。」
「あら?反応しないわね~?本当に寝てないのかしら?」
奥様は頬に手を当てて此方を見る。
「大丈夫ですよ。」
俺はアリサの耳元に口を近づける。
「…アリサ、食べないとお休みのキス、もうしませんよ?」
「食べる!」
アリサはそう言うと朝食を食べ出して、俺はアリサの右斜め後ろに待機する。その様子を見て旦那様はまた苦笑して、他のメイドはアリサを羨ましそうに見詰めている。
「あら~、アリサはノエルちゃんに毎晩お休みのキスをしてもらってるの?…ノエルちゃん。私もして欲しいわぁ~。」
「はっ、はぁ。」
こんな感じで食事は終わった。にしても、奥様は俺の事も家族扱いしてくださるけど、お休みのキスって、ちょっと恥ずかしんだけど。
熱くて死にそうです。