loop one
時は2454年―――
数年前まで、地球は温暖化による急激な環境破壊が続いた。しかし、科学の力により、オゾン層の増殖が成功した。それにより、人工オゾン層は地球を覆い、平和となったと同時に、科学的技術が革命的に進歩したため、地球全体自体がかなり近未来化とした。
近未来化した地球は、ノートも、ペンも…医療系統までもが機械化した。
もはや、機械にとって人間はただのガラクタとなり、薄汚い政治家やタレントだけが社会に出ていた。
そしてあとの人間は、国からただただ必要な金がはいるだけとなり、一般人はほぼニート化した。
そんな為体ていたらくな人生に、絶望するものは少なくはなかった。
そうして年 月が過ぎ…
時に、あるものたちは
「ヒトナラヌモノ」
に興味をもち始めた―――
9月13日
栄冠中学校。
そこには、もはや学ぶものなどありはしなかった。
そして、人間味さえも。
授業は、教室に備わっている個人用の電子テレビで教わるのみ。
教師などは一切と言っていいほどにいらなかった。
現に遅刻しても、誰も気にはしない。
そして、それ以上に未来が暗かった。
待っているのは、どう考えてもニートの道で。
それが嫌で勉強してるヤツもいるが、そんなヤツなんか数えられるほどだ。
今だってこの教室はまさに教師のいない自習時間だ。
しかも5限全部が自習の。
「柳瀬ぇ!」
椅子に座ると、ぎゃあぎゃあと騒がしい教室のなかから、不意に俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「おう、 どうした?」
短く黒い髪に、爽やかな雰囲気が特徴の、俺のダチである尚輝ナオキがこちらにかけてきた。
「おう、じゃねぇよ!
まーた遅刻しやがって。
あ、そうだ柳瀬!
これ、知ってっか!?」
会話が唐突過ぎんだろ、と苦笑い気味でツッコミつつ、尚輝が机に置いた一枚の紙に目を通す。
その紙のトップには、
「貴方の人生フルChange!
知っていますか悪魔の力!!」
と書かれていた。
何かのサイトのようだ。
背景には黒を使っており、髑髏があちこちにはってある。
尚輝はページをコピーして来たのだろう。
に、しても…
「………かわいそうに。こんな簡単な詐欺に引っ掛かって…」
「ちげぇよ!
まじのヤツな んだって!!」
「…柳瀬。その反応正しいぜ」
「、おっす。弥生」
「ん、おはよ」
「って無視すんなぁっ!!!」
スラッとした細身に、知的なメガネと、飄々とした瞳。
そんな外見でさらっと会話に入ってきたのは弥生。
同じく俺のダチだ。
コイツは…
「おい、聞いてんのかよぉ~」
「あ、悪ぃ。…んで?」
「で!した見てみなって!!」
尚輝に説明を遮られたが、とりあえず言われた通り、もう一度髑髏まみれの紙に目を向けてみる。
下の文には、
「悪魔の力で、貴方の人生が180度変わります!
彼らは人間を素晴らしい富を筑きあげることが出来るのです!
呼び出す方法は簡単。
まずは黒い服を上下に着用し 、鏡を用意します。
鏡には、あらかじめ赤いビニールを巻いておいてください。
そして、13日の深夜0時直前にできるだけ高いところで、鏡に月を写し、こう言うのです。
―――Clownery tale by the storyteller…
これで貴方は変わることが出来るのです!!」
「………随分それっぽいな」
先に読み終えていた弥生が感想を述べた。
「尚輝、これネットからだろ?
こんなんが世界中に広がったらまずくね?」
「、確かにかもな~」
「なげやりだな、おい」
「…で、やる気なの?ソレ」
おどけた様子の尚輝を、弥生が真剣な目で見る。
すると尚輝は弥生の目付きに少し驚くも、自信満々に笑って、「ったりまえだ!」といい放った。
そしてさらには…
「勿論お前らもだ!!!」
「「はぁ!?」」
…巻き込まれた。
―――…
11時32分。
そして、さっきまですっかり忘れていたが13日の今日。
だるくベッドに身を任せたまま、横目で例の英文が 書かれた紙と、赤い鏡が無造作におかれた机を見る。
…あれから、一向に寝付けなかった。
尚輝が持ち出した話が、どうも気になってしまう。
行こうか行くまいかと、心が揺らぐ。
そうして数分がたち…
(だぁーっ、くっそ!!
もう知らねぇぞ俺!!!)
半場なげやりになりながらも、俺は机に置いてあった鏡と紙をズボンのポケットに押し込み、駆けていた…
指定されていた黒い服なんか着ないままで―――…