三話 非日常
僕は学校を出て家をめざす
「ふう、噂がなんだよ」
つい独り言で愚痴をいってしまう。
僕はオカルトについてさっぱり信じていない。
理由は信憑性がないからだ。
どうしてそんなものを信じるのか理解できない。
家に帰る近道を通ろうと裏路地に入っていく。
裏路地は少し湿っぽくゴミだらけだ。
「ん?」
ゴミの中に壊れたオモチャがあったのだが
オモチャは小さいナイフを持っている。
「へー、このオモチャよくできてるな。
このナイフの血糊なんか本物みたいじゃないか」
ペチャ 触るとぬるぬるしてより本物のような………
て…鉄分臭い…
これって本物の…血?…
気味が悪くなってその場を離れようとする。
するとキャハハハ キャハハハ っと 笑い声が聴こえてきた。
周りをサッっと見渡す。
すると……壊れたオモチャに囲まれていた。
「なんだ!?」
つい叫んでしまう。
「お迎えにあがりました。 フフフ キャハハハ♪」
壊れた女の子の人形が手を差し伸べ喋り出す。
「なんなんだ!? 近寄るな! どうやって
喋っているんだ!?」
混乱のあまり慌てまくる僕にその人形は言う。
「あなたの嫌いな日常から抜け出す気は
ありませんか?」
「……なに…?」
僕はつい聞き返す。
「日常から抜け出すだと?」
「はい、そうです。 つまらない日常より
スリルのある非日常を体験しませんか?」
僕はそれを聞いて思案する。
以外にもあっさりと答えは見つかった。
「僕を非日常へ連れていけ。」
日常にまったく未練のないぼくはそう答えた。
「わかりました。連れて行きましょう。
私達の世界《Speranza》へ。」
……裏路地からは氷田 隼斗の姿はなくなっていた。




