表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スリースターズ  作者: カミハル
~襲撃と策略、それなら決戦へ~
37/51

反撃開始~空

 なんとかシールドで持ち堪えているが、すでに効果は薄れ、直接ではないものの、衝撃が体に伝わり、ダメージが蓄積されていく。

 部下のリーディアはすでに戦意をなくし、怯え、震えて戦力にならない。シオンが寸でのところで護っているが、このままではいずれ押し切られ、撃墜されてしまう。

「このままじゃまずいね……リーディア、せめて自力で逃げてくれないか?」

 とは言え、アキラやリネスと違い、精神的に幼いところの多いリーディアに、一度折れた心を修復し、行動するのは難しいだろう。いかんせん、他の二人と違い実戦経験が少なすぎる。

 腰に差した刀に魔力を込め、接近する敵を斬るが、魔力が弱体化され、ただの斬撃程度のダメージしか与えられない。

 魔力体の敵に物理的な攻撃を仕掛けても意味がない。

「広域一閃……」

 ならばと、先ほど刀に注いだ倍の魔力を上乗せし、魔法のイメージを技名に代え、唱える。

「円月・桜舞!」

 シオンを起点に、水平周囲三百六十度範囲に鋭い魔力の斬撃を放つ。

 普通ならば、この一撃でビルを叩き斬ることもできるが、敵の弱体化シールドの前では、近距離の敵しか叩き斬れず、近くの敵数体を倒すに止まった。

「ダメか……これ以上はまずいね……」

 誰に言った訳でもないが、自分自身に言ってみた。

 ヴァインからの援護も大した意味を持たず、リネスからの援護も止まってしまった。

 しかし、全滅もあり得る最悪の状況下で、一つの光を見た。

 施設全体を覆う結界。記憶が正しければ、この結界は確実にこちら側の助けになる。

 そして、いつのまにか静かに、それでいて力強く背後に現れた人間の気配。

「すまねぇなお嬢ちゃん、少しばかり遅れちまったが、タイミングはナイスだろ?」

 四十代の中年、口元の髭と彫りの深い顔立ちで、こちらに視線を向けて笑っていた。

 背中に背負った大きな戦斧。

 レイラのハンマーにも劣らない豪快な武器を背負った男は、警備部のインディ部長。シオンも何度か会ったことがある。

「おめぇら! 各自散開して残りの敵をぶちのめせ! いいか、後でヴァインに笑われるような真似は絶対にするな!」

 部下たちに激を飛ばし、再びシオンに視線を移し――

「お前たちの総隊長にいい人材を紹介してもらってな、これはその礼だ。あとは俺たちに任せておきな」

――インディ自身も敵集団の真っ只中に飛び込んでいく。

 それを呆然と見送ってしまったのは、急激な状況変化のためか、それともインディの豪快な人柄のせいかはわからないが――

「ふふっ、ずいぶんとヴァインやレイラに似た方だ、これは負けていられないね」

 見れば、ほとんどが男の部隊。

 しかし、戦闘を見る限り、魔力に優れた女だらけの部隊に劣らない戦いぶりを見せている。

 インディ自体も、魔力が強い方ではないようだが、魔力値や魔石のランクではない、総合ランクでのし上がった実力派のようだ。

「敵のバリアが消え、援軍も来てくれた。これは勝機だよ、リーディア」

 シオンの影で震えるリーディアに手を貸し、隣に並ばせる。

 強制する気はない、ここで逃走という手段を選ぶのならば、それも構わない。しかし、リーディアは自分自身で答えを出した。

「そうですわね……このまま逃げ帰ったらヴァイン総隊長には笑われ、リネスさんやアキラさんとはお別れ、レイラ隊長に至っては、敵前逃亡は死刑とか言いそうですしね」

 レア魔石、カゲロウでもう一度ヴァインの姿に変身する。何だかんだで、彼女が一番強いと思い描く人間像はヴァインだと言う事だろう。

 そんなリーディアを微笑みながら見つめて、刀を鞘に納め、全身に魔力を行き渡らせる。

「その通りだね、僕もレイラに殴られるのはごめんだし…………行くよ、リーディア」

「はい、隊長!」

 これ以上、警備部に敵を倒されれば、スリースターズの二番星は警備部に助けられ、何もできずにガタガタ震えていたチームと笑われる。

「何よりもヴァインに迷惑をかけるのはもっとごめんだよ」

 刀を一閃し、飛行形態の敵を三体同時に叩き斬る。本番はこれからだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ